小幡洋子さん
Yoko Obata
Director
KOTOHA Cosmetics London Ltd
- 肩書き
- 琴KO・TO・HA葉 London ダイレクター
- 経歴
- 奈良県出身。製薬会社勤務を経て1996年に渡英。大学で造形美術の学位を修め、航空会社で働きつつ、アーティストとしても活動する。2015年に、自然コスメ・ブランド【琴KO・TO・HA葉】を設立し、東洋の生薬と世界中から厳選されたオイルなどを配合した100%ナチュラルな化粧品をプロデュース。翌2016年、英国の優秀な自然派化粧品に贈られるザ・ジャニー・ラブズ・プラチナ賞を受賞したほか、2018年には、グリーン・ペアレント・ナチュラル・ビューティー賞ブロンズ賞を受賞した。「自分の美しさは自分でつくる」をモットーに、顧客の総合的な美しさをサポートしている。
元アーティストが生薬から生み出す美
日本で大学卒業後、どんな活動をされてきましたか。
大学生のころから、将来は海外で造形美術を学ぼうと決めていました。卒業後、2年働いてお金を貯め、当時、ダミアン・ハーストなど革新的なコンテンポラリー・アーティストたちが活躍していた憧れのロンドンへ。美大で学位取得後、航空会社で働きながら、オフの日は画家としてアート活動をしてきました。休日を利用して絵を描き、欧州中の展覧会に出展する日々でした。
美容分野への転身のきっかけを教えてください。
卒業後5年ほどアーティストとして活動した後、表現したいことが分からなくなってきて、このままでいいのか、と悩み始めました。長年肌にトラブルがあり、美容分野には以前から興味を持っていたのですが、そのころ偶然、化粧品の成分をネットで調べていて、「自然派化粧品を手作りするクラス」を見つけたのです。早速参加し、気がついたら、手作りコスメの販売資格を取得できる、上級コースにまで進んでいました。それまで求め続けていた「自分の肌に合った化粧品」を作ることに夢中になり、航空会社を休職して美容の勉強に専念することにしたのです。その後、自宅でエステ・サロンを始め、自分で作ったコスメの評判も次第に広まってきたので、ついに会社を辞めました。当時は、コスメの研究で、キッチンが毎日実験室のような状態でしたが、これが私の仕事だ、と思ったのです。
KO・TO・HA の特長である「和漢生薬」の魅力を、英国で広める中で苦労したことは何でしょう。
当時アジアン・ビューティーが今ほど浸透しておらず、「東洋の生薬」に興味を持つ人も多くはなかったのです。ただ、元々ナチュラルなものに対し意識の高い英国人たち。きっと商品の良さを分かってもらえると思い、一人ひとりとコミュニケーションをとって、地道に魅力を伝えていきました。最終的に実際の私の肌を見て、「あなたの年齢でその肌なら、とてもいいはず」と納得してくれた人も多いようです。
日英で美の価値観に違いはありますか。
英国人の方が、「年齢を重ねた美しさ」を認め、自分に自信のある人が多いのではないでしょうか。例えば、シワも自分の個性の一つとポジティブに捉えています。一方日本人は、シミやシワの一切ない完璧な美しさを目指します。ただ、アートと同様に「完璧であること=美しいこと」ではありません。私は、「不完全さの中の美しさ」を自分で認めることができてこそ、本当の美がにじみ出てくるものだと思っています。日本人は、欠点と思われる部分も含め、自分にもっと自信を持ってもいいのではないでしょうか。内側からの自信は必ず外見にも出てきて、その人独自の美しさに繋がります。
KO・TO・HAを通じて、皆に何を伝えたいですか。
「自分の美しさは自分でつくる」ということです。単にメイクやスキンケアのツールを広めるだけでなく、内面の自信のつけ方、自分を認めてあげることの大切さを伝えていきたいです。私自身が、10代から肌荒れ、ダイエットなどで悩み、心身のバランスを保つことに対して考え抜いてきました。私のコスメをきっかけに、自分の芯の部分からキラキラ輝いてもらいたいですし、コスメだけでなく、ワークショップなどを通して、内面からにじみ出る美を、トータルにサポートしていきたいです。
取材・文 : 湯原理恵
Information
【琴KO・TO・HA葉】
www.kotohalondon.com
オフィシャル・ブログ: http://kotohalondon.blog.fc2.com
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