現時点では、フランスに訪れる観光客の大半はヨーロッパの国からなのだが、ここ数年、ブラジル、ロシア、インド、中国からの観光客が 増えつつある。フランスでは、これらの国の頭文字を取って観光客新世代BRICと呼んでいる。
フランス観光省発表によれば、2005年度の アジア・オセアニアからの観光客は26%増。中国人に関しては、月平均5万人強がフランスの ホテルに宿泊している。この数字は年々上昇傾向にあり、観光のため国外に出た中国人が 2900万人だった2004年に対して、2020年には 約1億人の中国人が観光客として世界中を渡り歩くと同省は見ている。BRIC4カ国は、現在急激な発展の段階にあり、中流階級の購買力が数年前に比べ格段に上昇したことが同地からの観光客増加の要因となっている。
世論調査会社によれば、ブラジル、ロシア、インドは資産家の多い国ベストテンに入りここ数年、世界で最も急速に成長している国という。 現在フランスに訪れる年間7600万人の観光客のうち、中国人50万人、インド人20万人、ロシア人30万人、残りの85%はヨーロッパからの観光客となっている。しかし、ヨーロッパからの観光客がバカンス・シーズンに集中するのに対して、BRIC観光客はシーズンに関係なく訪れる。さらに、中国人など初めてフランスの地を踏む観光客は、ヨーロッパからの観光客とは対照的にルイ・ヴィトンなどの高級ブランド店でショッピングをする傾向が強い。
2005年度、中国人観光客はおよそ4.5億ユー ロ(約666億円)ものお金を旅行に使い、観光客平均では1人当たりおよそ3000ユーロ(約44 万円)の出費。そのうち18%は宿泊費、34%はショッピングにあてがわれているという。インドからの観光客に関しても、ここ数年上昇傾向にあり、香港やシンガポールに進出したフランス政府観光局が近いうちにボンベイに進出する可能性も大きくなってきた。
8月10日付「リベラシオン」紙 "Les ≪Bric≫: nouvelles classes touristes"
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