ウィンブルドンの「顔」となっているいちごだが、実は議会でホットな議論の中心になっている。議論されているのは、いちごそのものではなく、いちごを始めとするベリー系の果物の栽培に利用されているビニール・ハウスだ。13年前に英国の農業に導入されて以来、ビニー ル・ハウスは害虫と不安定な気候から作物を守り、農家に豊作をもたらしてきた。しかしその一方、美しい田舎の風景が、延々と連なる白いビニール・ハウスによって覆われ、景観を破壊していると見る反対派も大勢いる。現在では、ビニール・ハウスを建設する際の手続きは各自治体によって異なるが「英国の田舎を守る会」は、ほかの一般建築と同様、全自治体にわたって建築許可の申請を義務付けるべきだと主張している。 保守党のビル・ウィギン議員は、自身の選挙民たちがビニール・ハウスの建設に対して 意見を述べる機会が与えられないのは不公平と主張、ここ4年間英国産いちごをボイコット。これに対して、国民を代表する人間が英国産いちごに背を向けたことは「無責任」であると、全国百姓組合から非難されている。
今では、ウィンブルドン選手権に英国産いちごを供給する業者までが議論に参加、ビニール・ハウス栽培をに賛成を示している。 議論の展開次第では外国産のいちごを提供することになるとあっては、彼らの主張にも一際熱が入る。おいしい英国産いちごを作るためにはビニール・ハウスは必須アイテム。建築許可が 必要かどうか? 今後のいちご談義に注目!
「The Independent」紙 "Strawberry fields forever? The polytunnel debate" by Martin Hickman
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