ちなみにご存知ベッカム選手の
年収は38億円と言われている
今秋から大学で文学を専攻する予定のベン・コレットさん(23)は、怪我を理由に若くして引退した元サッカー選手である。昨季のプレミア・リーグを制覇した強豪マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のファーガソン監督が、かつて「突出した才能」と呼んだ逸材というが、まあよっぽどのオタクでもなければ彼の名を知る人は少ないだろう。なぜって、コレットさんは一度もプレミア・リーグの公式戦に出場したことがないから。
実はこのコレットさん、引退の引き金となった悪質なタックルを仕掛けた選手とその所属チームを相手取り、損害賠償を求めていた。そんな彼が一夜にして時の人となったのは、裁判所がこの訴えを認めて430万ポンド(約8億6000万円)の支払いを命じてからのこと。このとき恐らく史上初となる、無名の8億円プレーヤーが誕生することになった。
コレットさんは9歳でマンUのユース・チームに入り、17歳でプロ契約を結ぶなど、サッカー選手としては順調なキャリアを築いてきた。怪我をしてから長期離脱を余儀なくされ、昨年に引退に追い込まれるまでに至る経緯は確かに気の毒ではある。
でも彼の当時の給与は、週に460ポンド(約9万2000円)。その額の約1万倍もの賠償金を手にすることになったのだから、まさに濡れ手で粟の大儲けと言っていいだろう。裁判所が、もし怪我がなければ彼がどれだけ活躍したかという想定をした上で算出した数字というが、いくらなんでも希望的観測が過ぎるのではないか。
英国でサッカーをプレーする際には、対戦相手に怪我をさせないようご用心くださいませ。
「The Independent」紙 "The £4.3million football career that never was"
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