あなたなら誰になりたい!?
朝8時半、この学校では子供たちも教師も、「ハリー・ポッター」のお気に入りキャラクターの衣装をまとって授業を開始する。教師が「さあ、今日は逆数の勉強をしましょう」と言うと、子供たちはハリポタ帽を被って杖を握り、教科書に向かうという次第。難しい問題に出くわしたときには、「ヌメルス・サブトラクティカス!」と呪文を唱えて杖を振れば、あら不思議! 超難問も簡単に……。
この学校では、ハリーの通うホグワーツ魔法魔術学校と同様、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンの4つのクラスに分けられており、算数のみならず、すべての教科に「ハリー・ポッター」が取り入れられている。国語では「ハリー・ポッターと賢者の石」の一章を脚本に仕立てる授業が行われ、体育ではホウキにまたがってバランスの訓練。地理では、自分たちが暮らす街とハリー・ポッターに出てくるロケーションを比較し、ITではホグワーツ魔法魔術学校のバーチャル体験をする。こんな独創的な授業に、子供たちは「楽しくて簡単」と大喜び。
喜んでいるのは子供たちだけではない。ダンブルドアならぬ、ドナ・チャンバース校長(もちろんハリー・ポッターの衣装を着用)も「子供たちは学ぶことを楽しんでおり、また自分が学んだ内容を信じています。そうやって自然に国が定めた通常のカリキュラムもこなしているんです」と語っている。こうした「ハリー・ポッター」授業の効果には、教育水準査察院、Ofstedも注目。算数の授業を見学した査察官は、「引き算が魔法のように出来てしまう。授業態度も最高水準だし、生徒が楽しんでいるのがよく分かる」と絶賛した。教育水準の低下が心配されるなか、魔法の授業が英国の教育の未来を救うかもしれない。。
「Times」紙など "Being wizard at maths is magic for failing school"
< 前 | 次 > |
---|