ビクトリア・ベッカムの新しいお友達となった若奥様ケイティー・ホームズと1歳になった娘のスーリちゃん。「両手に花」を抱え、良きパパぶりをアピールするのに忙しそうなこの頃のトム・クルーズ。でもそんな充実したプライベートとは打って変わり、本業である俳優のお仕事の方は今一パッとしていないようだ。新作「Valkyrie(原題)」のクランクインを間近に控え、雲行きの怪しいニュースがマスコミを賑わせている。
「スーパーマン・リターンズ」などのヒット作で知られるブライアン・シンガー監督によるこの作品は、ヒトラーの暗殺計画「ヴァルキュー(Walküre)作戦」を描いたもので、トム・クルーズはこの中で主役のクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐を演じる。大佐は作戦の首謀者で、1944年7月20日にブリーフケースに爆弾を隠し暗殺を試みたが失敗し、その後処刑された人物だ。撮影はベルリンにある現国防省の軍事施設内、一連の出来事が実際に起きたベンドラーブロック(Bendlerblock)で行われる予定だった。だがユング国防相はこのたび、施設での撮影を認めないと発表したのだ。理由は、トム・クルーズがサイエントロジーの信者だということ。ドイツ政府はサイエントロジーを、宗教団体を装い資金集めをするカルト集団と位置付けている。
これに追い討ちをかけるのが、シュタウフェンベルク大佐の息子であるベルトホールド・フォン・シュタウフェンベルク氏。「これまでも父を題材にしたドラマはあったが、どれも事実に色づけしたものばかり。トム・クルーズが父を演じたら、どんな低俗な作品に仕上がることか…」
思えばトム・クルーズは、これまでもベルリンとは縁がなかった。前作「ミッション・インポッシブル3」でも、当初は国会議事堂などを舞台に撮影される予定だったが、あっさり拒否され撤退した経緯がある。
先月中ごろには、ケイティーとスーリちゃんを伴いベルリン入りしたトム。撮影スケジュールが組まれている11月までの仮の宿として、撮影スタジオに近いヴァン湖畔の豪邸も購入したとかで、本人はやる気満々の様子なんだけど。オスカーを狙うとも言ってるらしいし…。
「DER TAGESSPIEGEL」紙ほか
“Berliner Gegenwind für Tom Cruise”
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