最後の最後でVfBシュトゥットガルトがシャルケ04からマイスターシャーレ(優勝杯)をかっさらい、劇的な幕切れとなった今シーズンのサッカー・ブンデスリーガ。優勝を決めた最終日、市内中心部を埋め尽くしたサポーターは、選手らと真夜中過ぎまで有終の美に酔いしれた。でもこんな光景、ちょっと前にも同じくシュトゥットガルトで見たような…。そう、地元開催で沸きに沸いた昨年のワールドカップ(W杯)で、ドイツ代表が3位と健闘し、サポーターに迎えられたあの感動のシーンだ。あれから早や1年。もしかしたら、あの感動をまた地元で味わえるかもしれないという、耳を疑うようなニュースが舞い込んだ。
ご存知の通り、次回2010年のW杯開催地は南アフリカ共和国に決定している。しかし関係者の間では、スタジアムの建設や街のインフラ整備、安全対策など不安要素が取り沙汰されているとか。自然災害の恐れを無視できないとする見方もある。
そこで口火を切ったのが、国際サッカー連盟(FIFA)のヨーゼフ=ゼップ・ブラッター会長だ。「Die Welt zu Gast bei Freunden(友達をつくる時)」をテーマに掲げ、国内はもとより国外から押し寄せるサポーターの受け入れ態勢も上々、大きな問題もなく幕を閉じたドイツ大会に今でも心酔しているブラッター会長は先頃こんな大胆発言をして、周囲を驚かせた。「南アフリカでの開催が困難となった場合、代わりの最有力候補地はドイツだ!。
「南ア大会組織委員会を全面的に信頼している」とは付け加えたものの、会長の口から飛び出した、まさかの「もう一度ドイツで」発言に、ドイツサッカー協会(DFB)などは猛反発。同大会顧問のホルスト・シュミット氏は「南アでの開催実現に向けて最善を尽くす」と、はっきりノーの姿勢を示した。ドイツ大会で組織委員長を務めたご意見番のベッケンバウアー氏も、「南ア大会の実行委員会メンバーに敬意を表し」、ドイツでの連続開催はあり得ないとコメントしている。
どうやら、それほど現実味はなさそうな今回のブラッター発言。「燃え尽き感」がある私としても、いまいちピンとこない話ではあるけれど、あなたはどうですか?
「stern」誌ほか
“Deutschland erster Ersatzkandidat”
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