この記事を今まさに読もうとしている男性のみなさんに、ひとつお願いです。春うららの休日、ちょっと街でも散歩すっか、という時のご自分の服装を上から下まで思い浮かべてみてください。そして足元にズームイン!その時あなたは何を履いていますか?「特に気にしたことないけど、靴下にサンダル」なんて答えたお父さん、あなたにこの記事を捧げます。
前置きはさておき。ファッションの都パリやロンドン、流行の発信地トーキョーから大きく後れをとってはばからないドイツのモード事情。だが、ここにきて何やら異変が起きているようだ。きっかけは、先頃行われた「プラダ」の春夏コレクション。会場には毎年、世界中からバイヤーや有名人が駆けつけるこの超売れっ子メゾンが何と今回、メンズ・コレクションで「靴下+サンダル」ファッションを発表したのだ。ルーズな靴下にサンダルをひっかけモデルがキャットウォークに登場すると、カメラのレンズは一斉にその引き締まったふくらはぎから足元に集中。客席からはどよめきが起きた。
それがどうした、俺は流行を先取りしてたってわけか!とニンマリしたお父さん。すいません、そーじゃないんです。「靴下+サンダル」といえば、今日まで続くドイツ・メンズ・モードの汚名の元凶、おしゃれピープルの間では絶対にタブーなコンビネーションなのだ。ドイツでサンダルといえば日本でも人気が定着した「ビルケンシュトック」が有名。お膝元だけに、この国では街を100メートル歩けばこの「靴下+サンダル」スタイルが定番という男性に少なくとも2人はお目にかかれるわけだが、これがなんともダサい。歩き心地はよいかもしれないけれど、やっぱりサンダルには素足でしょう!
コレクション発表後、世界中のファッション各誌はこぞってこのセンセーショナルな「最新トレンド」を紹介。反響はかなりのものだったようで、プラダもご満悦の様子だ。ただ中には、この新たなルネサンスの幕開けに首をひねる方々も。メンズ・モード本を手掛けるライターのベルンハルト・レーツェル氏は、こう豪語する。「靴下とサンダルの組み合わせは、超イケメンのセクシー・モデルにしか似合いません」。さてお父さん、どうしましょう?
「Rheinische Post」紙ほか
Sandale+Socken=erlaubt???
< 前 | 次 > |
---|