降り立ったミュンヘンの空港で税関職員から呼び止められ、荷物検査の結果、バッグの申告漏れが見つかったのだ。弁護士によると、「申告義務を知らなかった」のが理由らしいが、とりあえず関税350ユーロ(約5万2500円)を即、現ナマでお支払い。ま、そこまでならどんな旅行者にも降りかかってきそうな話だが、問題はその後。思いもかけない大物に「いい金ヅルがひっかかった」と思ったかどうかは分からないが、地元検察当局が脱税容疑でバラックへの捜査を開始した。当初、検察サイドは罰金5万ユーロを支払えば捜査手続きをストップすると申し出たが、バラック側はこれを拒否。行政裁判所はさらに1万ユーロを上乗せした6万ユーロの罰金の支払いを命令したが、またもやバラック選手が異議を申し立て、まるでオークションの競り合い状態に。状況はいよいよ泥沼化するかと思われたが、ここで話し合いが行われ、7万ユーロでめでたく「ハンマープライス」となった。
結局そのうち6万5000ユーロは社会福祉施設に寄付され、残りは州の金庫に納まることになった。普通のサラリーマンならば顔面蒼白ものの額だが、年収700万ユーロならば、どうってことはない、節税対策の一環になるし、ジモーネさんにとっても7万ユーロのバッグは一種のステータスになるかも。家計簿とにらめっこの身分にとってはなんとも羨ましい話だ。
「FOCUS」誌 "Ballack muss 70 000 Euro zahlen"
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