Wild Child
ワイルド・チャイルド(2008 / 米・英)
米カリフォルニア育ちのティーン・セレブ、ポピーの素行の悪さを見かねた父親は、彼女を規律正しい英国の寄宿学校に入学させる。
Photo: SpaceMonkey from Stanbury, West Yorkshire
監督 | Nick Moore |
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出演 | Emma Roberts, Aidan Quinn, Natasha Richardsonほか |
ロケ地 | The Souk |
アクセス | London・King's Cross駅から最寄駅Keighley駅まで列車で約3時間 |
- サユリさん、あけましておめでとうございます。今回は珍しく、ティーンが主役のギャル映画です。
- あけおめ、ことよろ、あげぽよー☆
- ちょ、ちょっと大丈夫ですかサユリさん、新年早々……飲み過ぎ?
- な、なによ、せっかく盛り上げていこうと思ったのに、恥ずかしいじゃない。正直ギャル事情には疎いけど、案外嫌いじゃ ないのよね、この手の映画。「クルーレス」とか「キューティ・ブロンド」とか……。
- わがままな小金持ちギャルが一念発起して人生頑張った結果、周囲から認められて本人も一回り成長するっていう、お決まりのパターンのやつですね。
- 彼女たちって最初は見ててイラッとくるんだけど、 意外と素直だったり、芯が通ってる部分があったりして、結局のところ憎めないのよね。しかも第一印象が悪ければ悪いほど、その後、ちょっとその子が健気なことしたり、素直な振る舞いを見せたりするだけで、好感度がググッとアップするじゃない? ある意味、得よね。
- 要は、ほだされちゃってるわけですね。
- まあね。でも、世代も育ちも性格も全然違うけど、同じ女として共感する部分があったり、その言動で爽快な気分にさせられることもあったりして、ガールズ・パワーよ永遠に、ってとこよ。
- そつなくまとまったところで物語を簡単に説明しますと、カリフォルニアで贅沢に暮らすティーン・セレブのポピーは、ハメをはずしすぎて父親の逆鱗に触れ、英国の田舎にある由緒正しい、いや彼女の目から見たらお堅く野暮ったい寄宿学校に送られてしまいます。太陽燦々の米西海岸から、どんより曇った英国の片田舎の風景にガラリと変わるシーンに、思わず苦笑いですね。
- 舞台となる1797年創立の寄宿学校「Abbey Mount School」には、ケント州にある「Cobham Hall School」が使われています。1962年創立の女子寄宿学校です。
- 最初は服装からして浮きまくっていて、風紀委員長のハリエットとその子分2人を敵に回し、何を見ても「ゲッ、キモ〜い! やってられなーい!」を連発するポピーだったけど、ハリエットにいじめられ、米国の親友にも裏切られ、さすがに落ち込んじゃうのよね。そんな彼女に同情したルームメイトたちは、ポピーの「退学計画」を手伝ってあげることにするの。
- 校内の女生徒との交際が禁じられている、キングスレー校長の息子フレディを誘惑するっていう計画ですね。
- パーティーで彼を誘惑するための服を、みんなで田舎町のチャリティー・ショップで選ぶシーンは、ウエスト・ヨークシャーはHaworthのMain Street 117番地に立つビンテージ・ショップ「The Souk」です。
- チャリティー・ショップにしては品ぞろえが充実しすぎてると思ったわ。彼女たちがその後に行く美容院も、同じ通りにある店じゃない? ポピーはここで髪を茶色に染めるけど、実はポピーに扮するエマ・ロバーツはもともとダーク・ヘアで、中盤まではブロンドのウィッグを被ってるんだって。
- ちょっとインチキくさい美容師役に、あのニック・フロストが扮していますよね。
- そういえばシャーリー・ヘンダーソン演じる寮母も、時計じかけの人形みたいで可笑しいですよね。正直、映画はイマイチですが、脇役で救われたかな、と(笑)。
私みたいなオトナの女には毒にも薬にもならない作品だけど(笑)、それでもやっぱり、若いって、青春って、女友達って素敵だわって改めて思っちゃった。タロウ君が言うように英国の個性派俳優が脇を固めてるから、観ていて安心感もあるしね。そうそう、キングスレー校長を演じているのは、名女優ヴァネッサ・レッドグレイヴの娘で、2009年にスキー事故で他界したナターシャ・リチャードソン。本作は彼女の遺作でもあります。
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