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Sat, 07 December 2019

The Lair Of The White Worm / ケン・ラッセルの白蛇伝説

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第107回

The Lair Of The White Worm
ケン・ラッセルの白蛇伝説(1988 / 英)

巨大な白蛇にまつわる伝説が残る英国の片田舎で、若い姉妹が経営するB & Bに宿泊中の青年考古学者アンガスは、宿の庭でローマ時代の大蛇の頭蓋骨らしきものを発掘する。

今週のロケ地

監督 Ken Russell
出演 Amanda Donohoe, Hugh Grant, Catherine Oxenberg ほか
ロケ地 Knebworth House
アクセス London・King's Cross 駅から Stevenage 駅まで列車で約20分、その後タクシー

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  • 英国映画界の鬼才、ケン・ラッセル監督が去る11月27日に84歳でお亡くなりになられました。追悼の意を表しまして、今週は急遽、同監督作品を捜査します。
  • あの、僕は正直ケン・ラッセル監督作品にはあまりなじみがありませんでしたが、マーラーやヴァレンチノ、チャイコフスキーなど実在の人物の伝記映画なんかも多く手掛けていらっしゃいますよね。なのになぜ捜査対象がこの作品なんでしょう……。
  • いいじゃないか別に。ケン・ラッセルといえば、妄想と狂気を含んだ耽美的かつ過激でエキセントリックな描写でよく知られるけれど、そんな監督がゴシック・ホラーに挑戦したら、こんなバカバカしいコメディーに仕上がってしまったんだぞ。稀に見る怪作ではないか。
  • いや、まあご本人もコメディーにするつもりはなかったと思うんですけど……結果的にエログロ・ホラーになったと言いますか(笑)。何と言っても物議を醸した「肉体の悪魔」を撮った監督ですからね。
  • ちなみに私が初めて観たケン・ラッセル監督作品は、ザ・フーのロック・オペラ・アルバムを映画化した「トミー」だ。ミュージカルにはほとんど興味のない私だが、ケン・ラッセル色満載の演出のおかげでかなり楽しんだ記憶があるな。
  • それにしてもこの「白蛇伝説」、主な登場人物は、ダービーシャー州の農場でB& Bを営むマリー & イブ姉妹と、その宿に宿泊中の考古学者の卵アンガス、そしてマリー & イブ姉妹と親しい地元の領主ダンプトン家の当主ジェームズですが、このジェームズ役がなんとヒュー・グラントです。こんなB級カルト映画でもヒュー様はやっぱりヒュー様のままなのがさすがですね。
  • ダンプトン家の屋敷の外観は、映画のロケ地としてよく利用されているハートフォードシャー州のカントリー・ハウス「Knebworth House」です。そういえば最後にアンガスに電話してくる病院スタッフがジーナ・マッキーでしたよね。彼女にとってはこれが映画初出演だったらしいですよ。すごい作品でデビューしましたね(笑)。
  • そして強烈なのが「ヘビ女」ことレディ・シルヴィア……。大蛇の化身だけに、姿を現すのも温暖な季節に限るし、笛の音とか音楽に操られるという弱点が(笑)。
  • ジェームズたちが鳴らした音楽にまんまと誘われて、ステップを踏みながらおびき出されてしまう場面には笑いましたね。しかもこの教訓から学んで、次は耳栓してたし(笑)。このシルヴィアが住む森のお屋敷は、これまたロケ地の常連、ハートフォードシャー州の18世紀のカントリー・ハウス「Gaddesden Place」で撮影されています。
  • ちなみにストーリーは、アイルランドの小説家で「ドラキュラ」の生みの親、ブラム・ストーカーの「白蛇の巣」を下敷きに、監督が脚本を書き上げた形ですね。
  • 眩惑的な音楽とともにドドーンと洞穴が映るオープニングから、怪しげな匂いがプンプンしていてワクワクしたな。
  • あの洞窟はスタッフォードシャー州のピーク・ディストリクト国立公園内、ホワイト・ピークはマニフォールド・ヴァレーにある「Thor's Cave」です。観光客にも人気のスポットらしいですが、この映画を観てしまうと不気味に見えますね〜。
  • ちなみにあの、いかにも作り物の大蛇の口の部分には、フォルクスワーゲン車のボンネットが使われているそうです。そう言われると確かに……(笑)。

デカ長、物申す
ケン・ラッセル監督というと、その大胆でセクシャルな悪趣味スレスレの描写がとにかく取り沙汰されるが、抑圧と解放のコントラストを描かせたら右に出る者なしではなかろうか。同監督作の中でも俗っぽさナンバーワンの本作にも「これぞケン・ラッセル!」といった過激な妄想シーンが相も変わらずお目見えして、思わずニンマリだったね。ご冥福をお祈りします。

 
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