(ロンドン 6月25日 時事)政府は24日、核兵器を搭載可能な最新鋭の米国製ステルス戦闘機F35Aを12機購入する計画を発表した。北大西洋条約機構(NATO)の任務の一翼を担う予定で、「近年で最も重大な核戦力増強の動き」(英メディア)となる。
オランダ・ハーグでのNATO首脳会議に合わせて発表された。英国は冷戦終結後、空中発射型核兵器を廃棄。現有の核戦力は、海軍が運用する潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「トライデント」のみだ。今回の決定で「空軍に核抑止の役割を再導入する」(政府声明)ことになる。
スターマー首相は、ロシアのウクライナ侵攻や悪化する中東情勢などを念頭に「不確実性が急速に増す時代に平和を当然視することはできない」と指摘。F35Aの導入は「英国と同盟諸国に対する敵対勢力の脅威を阻止する」とし、核戦力増強の意義を強調した。
Wed, 09 July 2025