Thu, 02 May 2024

英国発ニュース

英紙が村上春樹氏の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」に辛口の評価

8月3日発刊の「サンデー・タイムズ」紙は、日本人作家の村上春樹氏が執筆した「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の書評を掲載した。

 同記事は、村上春樹氏を「尊敬する批評家から良い評価を得る」ことと「アマゾンでの売上1位獲得」を両方やってのける作家であると紹介。またこれまでに発表された同氏の作品は、「ヘミングウェイのように簡素な文体」の中で「ときには把握しきれなくなるほどに様々な出来事が発生する」傾向にあると述べている。またその物語の内容は「通常、序盤は大衆社会の中で疎外感に苛まれている若い日本人男性が、途中から極端に方向転換をする」と解説。「ストーリーテリングについての天賦の才」と「催眠術的な力」が同氏の小説の魅力であると伝えている。

 ただ「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」に関しては辛口の評価。「どこまでが翻訳のせいで、どこから作者の怠慢によるものなのかは分からない」と断った上で、「あからさまな直喩表現、定型表現の多用、冗長かつ繰り返しの多い描写」などが見られるとして、村上氏特有の力強く簡素な文体が本作においては「陳腐」に見えると批判している。
 
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