1973年4月17日生まれ、神奈川県出身。96年、多摩美術大学在学中に同級生の片桐仁とラーメンズを結成。以来、脚本・演出・出演を手掛けている。2002年に演劇プロジェクト「K.K.P.」、05年にソロ・パフォーマンス「Potsunen」を始動。09年、NHK-BSにて「小林賢太郎テレビ」がスタートする。12年にフランス、モナコにて初の海外公演を敢行。15年にはロンドン、パリ公演を成功させた。キャンペーンのプロデュースやアニメ作品の監督、絵本の執筆など、多様な分野で活躍中。http://kentarokobayashi.net
山高帽にスーツという洒脱な衣装に身を包んだポツネン氏の、平凡だけれどちょっと奇妙な毎日を綴ったソロ・パフォーマンス「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」が2015年、ロンドンで好評を博した小林賢太郎。日本国内での全49公演にわたるステージを経て、再びロンドンの舞台に立つ。パフォーマーとしてのみならず、自身が出演する舞台の美術を手掛け、アニメ作品の監督や絵本の執筆も行うなど多彩な活動を展開する小林に、2回目となるロンドン公演について聞いた。
── 2015年に行われたロンドン公演を拝見しましたが、日本人のみならず、様々な国籍の人たちが集まり、反応もとても良かったのが印象に残っています。小林さんは実際に舞台に立ってみて、どのように感じられましたか。また、当時はパリ公演も行われましたが、パリとロンドンで観客の反応に違いはあったのでしょうか。
国による違いは、あまり感じませんでした。舞台に立ってしまうと、どこにいるかは関係なくなります。観客の反応に違いがあるとすれば、お国柄というよりは、劇場の個性の方が反映されると思います。
── 今回の公演では、前回の内容と何か変わる部分はあるのでしょうか。
過去の上演から、さらに磨きをかけました。より濃密なステージをお楽しみいただけると思います!
── 「Potsunen」では、アートやマイム、映像など、言語を必ずしも必要としない手法が用いられていることもあり、そのジャンルを超越したスタイルが国籍や年齢、趣味嗜好を問わず幅広い観客を呼ぶことに成功しているように思います。
「Potsunen」は、日本語が分からないお客様にも楽しんでいただけるように作っています。日本で上演される際も、色々な国の方に来ていただけます。「どの国籍の人が」ではなく、「人間が」楽しめる作品を目指しています。
── 前回のロンドン公演が行われたのは、中心部のレスター・スクエア・シアター。劇場内にバーもあり、賑やかな雰囲気のベニューでしたが、今回は19世紀末に劇場としてオープンし、その後は映画館としても使われていたこともある趣ある劇場で開催されます。ベニューの違いが作品や演技に影響を及ぼすことはあるのでしょうか。
パフォーマーが会場の雰囲気に対応することは、とても大切なことだと思います。僕は劇場が大好きなので、様々なタイプの劇場で上演できることを、とてもうれしく思います。
── キャンペーンのプロデュースやアニメ作品の監督、絵本の執筆など、多様な分野で活躍される小林さんですが、一方で作品やインタビューなどを拝見していると、プロの舞台人であることに対するこだわり、矜持を感じます。小林さんにとって舞台とはどのような意味をもつものなのでしょう。
舞台はあらゆる表現手段の中で、最も観客の反応がダイレクトに伝わってくる場所です。それは表現者にとって、とても鍛えられる環境ということ。僕はアーティストとして、もっともっと成長したいと思っていますので、舞台という特別な場所にこだわっていたいのです。
Mr Potsunen's Peculiar Slice of Life by Kentaro Kobayashi
2017年7月5日(水)~8日(土)
19:30(5日は19:00、8日は17:00)
£20~28
Print Room at the Coronet
103 Notting Hill Gate, London W11 3LB
Tel: 020 3642 6606
Notting Hill Gate駅
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