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路上でパーティー
エリザベス女王戴冠70周年「プラチナ・ジュビリー」の盛大なお祝いが、6月2日から4日間にわたって行われましたね。英国在住の皆さんは、どこでどのように過ごされましたか?
トゥルーピング・ザ・カラーと呼ばれるパレードや、バッキンガム宮殿でのコンサートなど、現地に行ったり、テレビで見て盛り上がった方も少なくないかもしれません。また、地元のストリート・パーティーに参加した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
英国のストリート・パーティーとは、一般の道路を通行止めにして、そこに長テーブルを並べ、近所の人たちが料理やお菓子を持ち寄り、一緒に食事をするというもの。食事だけでなく、ゲームをしたり、ダンスをしたり、エリアによってイベントの規模も内容もさまざまですが、今回のプラチナ・ジュビリーでも、イングランド各地で行われていた様子がニュースやソーシャル・メディアでも伝えられていました。
私が英国でのストリート・パーティーを初めて体験したのは、2012年のダイヤモンド・ジュビリーのときでした。ご近所に住む仲良しのアリソンがパーティーのオーガナイザーの一人だったため、随分前からその計画を聞かされていました。道路で長テーブルを並べて食事をすると聞いて、日本ではそんな経験がなかった私は、誰が料理を用意するのか、いったいどんなことが起こるのか、などアリソンを質問攻めにしてしまいました。「近所の人がそれぞれ料理を持ち寄って、みんなでゲームしたりおしゃべりするの。普段、近所に住んでいても名前も知らない人がほとんどだけど、知り合いになるいいチャンスになるはず!」と言われ、当日は張り切って巻き寿司と鳥の唐揚げを作って参加。アリソンの言った通り、それまであまりよく知らなかったご近所さんたちと初めてゆっくり話すことができる貴重な時間となりました。
一説によれば、英国のストリート・パーティーの歴史は第一次世界大戦後の1919年「ピース・ティーズ」(Peace Teas)として、苦難の時代、子どもたちのために始まったといわれています。その後、第二次時世界大戦の戦勝記念や、ジュビリーやロイヤル・ウエディングなど王室関係の祝賀に際し、特にイングランドとウェールズでこの伝統が広がったといいます。
今回は私にとって2度目のストリート・パーティー。前回ほどの規模ではありませんでしたが、ご近所さんとバーベキューをして、持ち寄ったケーキを食べながら、今まであいさつを交わすだけだった人たちとも仲良くなることができました。路上でのパーティーは社交にもってこいの機会だと思います。