福島原発事故は人々が思ったような「転機」とはならなかった - 取り残される住民の心のケア
The Fukushima disaster was not the turning point many had hoped
「エコノミスト」誌(電子版) 6日
「エコノミスト」誌(電子版)は6日、東北地方太平洋沖地震と福島第一原発事故の発生から10年を迎えるにあたり、東日本大震災が、復興という観点から見る限り、明治維新や第二次世界大戦敗戦時のような、政府が望み描く「日本の歴史の転換点」には至っていないとする記事を掲載した。
政府はインフラの復興と除染を進め、東京五輪を復興の象徴として、聖火リレーの出発地に福島県を選んだが、同県では現在でも3万6811人が避難生活を強いられ、鬱などから糖尿病や高血圧など余病を発症する住民も多いと同誌は説明。再建の陰で人々の心のケアが取り残されているとする、元福島県南相馬市市長、桜井勝延氏の言葉を紹介した。また、原発事故が人口過疎化に拍車をかけたとし、コミュニティーの復興はインフラの復興よりはるかに難しいという、「ふくしま再生の会」理事長、田尾陽一氏の言葉も紹介。さらに、政府は原発を諦めておらず、東日本大震災は脱原発の転機とはならなかったと述べた。
Japan seeks 'recovery of people's hearts' decade after quake
日本は今も心の傷を癒やす方法を探している
「インディペンデント」紙(電子版) 3月9日
「インディペンデント」紙(電子版)は9日、東日本大震災から10年経った今でも、被災者の生活は平常に戻らないとして、平沢勝栄復興大臣でさえ、これまで30兆円以上の復興予算が計上されたが、住民支援への投資は少なかったことを認めたと伝えた。
Fukushima radiation did not damage health of local people, UN says
国連が原発事故による住民の健康被害は少ないと発表
「ガーディアン」紙(電子版) 3月10日
「ガーディアン」紙(電子版)は10日、東日本大震災の原発事故による放射線被ばくが直接の原因となりうる、市民の健康への悪影響は現段階では報告されておらず、将来的に見られる可能性も低いとの国連科学委員会の発表を報道した。
Japan agonises over how to honour victims of the 2011 tsunami
日本は2011年の津波の犠牲者をどのように称えるか苦しむ
「タイムズ」紙(電子版) 3月10日
「タイムズ」紙(電子版)は10日、宮城県南三陸町の防災対策庁舎から最後まで避難を呼びかけ、自身は津波で死去した遠藤未希さんの母親に話を聞き、被災建築物を震災遺構として完全な状態で残すことが被災者にとって辛い場合もあると報じた。
The memory hunters
思い出を風化させないために
BBC(電子版) 3月11日
BBC(電子版)は11日、東日本大震災時の津波で汚損された写真に修復作業を施し被災者に返す、多くのボランティアの存在を紹介。修復には国内だけではなく海外の人々も参加したことに触れ、10年が経過した現在もこつこつと作業が続けられていると伝えた。