ニュースダイジェストの制作業務
Sun, 12 May 2024

「女性器アーティスト」ろくでなし子さんの逮捕

ろくでなし子
ろくでなし子さんの逮捕を報じる「ガーディアン」紙の記事

Her situation is serious
彼女が置かれた状況は深刻

「ガーディアン」紙 7月16日

ドイツでは女性器の巨大彫刻の中にはまり込んだ米国人学生を救出するために消防隊が出動したことがニュースになったばかりだが、日本では女性器を扱う芸術が全く異なる反応を引き起こした。日本人アーティストのろくでなし子氏が、3Dプリンターを使って自身の女性器を造形するためのデータを配布し、逮捕されたのである。同氏は、「何の役にも立たない女の子」を意味する「ろくでなし子」というペンネームを使用。楽しく気の利いた作品の内容とは裏腹に、法で裁かれることになった同氏が置かれた状況は深刻である。

Her arrest has certainly made her one
逮捕によって有名人となった

BBC Online News 7月16日

ろくでなし子氏は、日本ではそれほど名の知れた人物ではない。しかし、今回の逮捕によって彼女は有名人となった。男性器の画像や彫像であれば問題ないのに、なぜ女性器を扱った作品だけがわいせつと見なされるのかと疑問を呈する声もある。例えば、日本では男性器を模った神輿を担ぐお祭りが毎年開催されているのだ。また同氏を「自称アーティスト」と呼んだ地元メディアが批判にさらされている。ツイッター上では、同氏をアーティストとして取り上げる西洋メディアの報道との比較も行われている。

ほかにもこんな日本報道が…

和牛をウェルダンで食べるのは犯罪

「イブニング・スタンダード」紙 7月18日

今年から欧州連合加盟国において和牛の輸入が解禁されたことを受けて、愛好家の間では和牛が「肉のキャビア」と呼ばれ高く評価されていると紹介。とりわけ鹿児島県の在来種は霜降りが非常に多いため、口の中で溶ける柔らかさと、桃とココナッツの風味があると伝えている。また和牛をウェルダンにしたり、ケチャップにつけて食べたりするのは「犯罪である」と主張した。

穴の開いたコンドームより恐ろしい解決策

「エコノミスト」誌 7月23日

「なぜ日本では少子化が進行しているの か」と題した記事を掲載。今年6月に愛知県新城市の長田共永市議が、出産率を上げることを目的として若い夫婦に穴の開いたコンドームを配布することを提案した一件に触れ、日本における少子化問題の解決案は、「穴の開いたコンドームよりも恐ろしい」という、大量の移民の受け入れになるだろうとの人口学者たちの意見を紹介している。

村上春樹氏の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」に辛口の評価

「サンデー・タイムズ」紙 8月3日

村上春樹氏著の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の書評を掲載。「どこまでが翻訳のせいで、どこから作者の怠慢によるものなのかは分からない」と断った上で、「あからさまな直喩表現、定型表現の多用、冗長かつ繰り返しの多い描写」などが見られるとして、村上氏特有の力強く簡素な文体が本作では「陳腐」に見えると批判している。

 

新国立競技場の建設問題

It always feels like Sunday afternoon
日曜の午後のような空間が変わる

「タイムズ」紙 6月30日

イチョウの木、野外カフェ、ハイヒールでよろめきながらプードルの散歩をする婦人。木の葉に囲まれた子供の遊び場と、石の壁と円形状の屋根に覆われた絵画館もある。いつ訪れても、日曜日の午後を過ごしているかのような感覚にとらわれる場所だ。ここはイングランド中部バースでもチェコのプラハでもフランスの田舎でもない。東京の中心なのだ。もし計画通りに進めば、世界一の巨大都市にあるこの静かで緑にあふれたオアシスが、鋼鉄とコンクリートとプラスチックの塊によって変えられてしまうことになる。

The stadium will be a white elephant
無用の長物になる

「エコノミスト」誌 7月12日

拝金主義と虚栄、不透明な決定が都市構造を食い物にし、社会的事情に配慮することなく仰々しい建築物をつくり上げた北京五輪は文化的には大失敗だった。地球上で最も文明化された都市である東京でも同様の事態が発生し得る。7月5日には、ザハ・ハディド氏による新国立競技場の設計への抗議デモが実施された。このままでは、バブル期につくられた多くの建築物と同じく無用の長物となるだろう。東京五輪に関連した俗物根性とも呼ぶべき現象は、築地市場の移転やホテルオークラの建て替え計画にも見られる。

ほかにもこんな日本報道が…

号泣はヨーデルのよう

「タイムズ」紙 7月2日

政務費300万円を使い、1年間に195回の出張を繰り返していたことが発覚した野々村竜太郎兵庫県議会議員が、記者会見で号泣したと報道。野々村県議がうめき声を上げる様子をヨーデルのようだと描写した。

日本の科学教育を批判

「エコノミスト」誌 7月10日

独立行政法人理化学研究所の小保方晴子氏がSTAP細胞の検証実験に参加したことを受け、「でたらめな科学」と題した記事を掲載。日本で高い水準にある大学が質の悪い博士号取得者を大量生産する現状を嘆く関係者の見方を伝える。

BABYMETALは不可抗力的な現象

BBCニュースビート 7月10日

日本のアイドル・グループであるBABYMETALがヘヴィメタル音楽業界で旋風を起こしていると紹介。同グループが「不可抗力的なものになった」とする音楽関係者の発言を引用している。

AKB48は日本社会の象徴

「インディペンデント」紙 7月14日

日本のアイドル・グループであるAKB48の日本での人気ぶりについて。またAKB48が海外で成功する可能性に対して否定的な音楽業界関係者が、同グループの音楽形態は「グループの調和と平凡さを重んじる日本社会の特徴を如実に表している」と述べたと伝える。

 
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