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Sun, 16 December 2018

タイプ別、万が一のときのための保険

「私は大丈夫」と思っていても、予期せぬ病気や事故に見舞われることがあります。そのときの備えはできていますか? 英国にいるとついつい保険などの手配を後回しにしがちです。今回はタイプ別にご自身やご家族を守る保険について検討してみましょう。

英国滞在歴10年、日系企業に勤務しています。独身なので病気で倒れたりしたらどうなるのか心配です。

Income Protection (所得補償保険: IP)をまず検討できると思います。病気やケガで仕事ができない状態が続いた場合、一定期間(待ち期間=Deferred Period)を経て、毎月の生活費が保険金として支払われます。この保険金は、①回復し仕事に復帰するまで、②保障期間終了まで、③死亡時まで、のいずれか早い時期まで継続的に支払われます。

今35歳で税引き前の月収が2500ポンドです。IPの保険料はどれくらいですか。

 IPの保険金は非課税ですし、病気の場合は出費が少なくなるので、例えば月1500ポンド(約22万8000円)を保険金とすると支払い期間が最長2年で保険料は月15ポンド程度。回復、死亡、66歳満期までずっと払われるとすると月30ポンド程度となります。待ち期間を短くすると保険金が高くなりますので、最初の3カ月は会社からの疾病手当(Sick Pay)や本人の貯蓄で補い、その後は保険でカバーすると保険料の節約になります。更に保険金は保険料を払っていれば保障期間中、何回でも請求できます。例えば2年間保険金を受け取った後に、回復し、数年後に発病した場合でもまた保険金を申請することが可能です。

月1500ポンドを保険金としたIP保険料例

加入時年齢支払い期間2年間の保険料(月)支払い期間66歳までの保険料(月)
35歳 £15 £30
45歳 £20 £50
55歳 £35 £72

非喫煙者の事務職女性。満期66歳、待ち期間3カ月、保険料一定保証、保険金一定。掛け捨て型
Data: Avelo Exchange 20.11.2017

妻、子供2人の家族を持つ会社員です。住宅ローン、毎月の生活費に合計で3000ポンド程度掛かっています。どのような保険を検討すればよいでしょうか。

まずは死亡時の備えとして、住宅ローンの返済と家族の生活費に対する保障が必要ですね。前者には保険金一括払いの定期生命保険、後者には死亡時から満期まで毎年保険金が支払われるFamily Income Benefit(家族年金保険: FIB)を検討できると思います。なお、これら生命保険に疾病特約を付ければ死亡時だけでなく、がんや心臓発作などの疾病と診断されると保険金が受け取れます。このほかに余裕があれば前述のIPで病気の際の保障も検討できると思われます。

FIB保険をもう少し詳しく説明してください。

一括で保険金を受け取ると残された配偶者がそれを運用しながら必要な生活費を取り崩していくことになりますので、資金が続くか心配ですね。FIBでは毎年決まった保険金が継続的に死亡時から満期まで払われますので、その心配がなくなります。また保険金をインフレ連動と設定することも可能なので、長期間の貨幣価値の減少を回避することも可能となります。下記保険料の例をご参照ください。ご本人が死亡してから毎年3万6000ポンド、インフレ連動で本人が66歳になるときまで保険金が払われます。なお、定期保険は掛け捨て型ですので、解約時の返戻金はありません。

年3万6000ポンドの保険金FIB保険料例

加入時年齢開始時保険料(月)
35歳 £33
45歳 £42
55歳 £50

非喫煙者の事務職男性。66歳満期。保険料一定保証、保険金・保険料はインフレ連動。掛け捨て型
Data: Avelo Exchange 20.11.2017

定期保険と終身保険とどちらが良いのですか。

英国では、住宅ローンを返済中に死亡した場合や重病にかかった場合、またお子様が成人するまでなど、最低限必要な保障を必要期間のみ保険でカバーすることが多く、掛け捨て型の定期保険が広範に利用されています。言い換えますと、定年後はローンも完済しているでしょうし、お子様も成人していますので保険の必要がないということです。更に保険料も定期保険の方がはるかに安いですし、通常は満期まで一定に保証されています。終身保険の保険料は一生保証の場合は保険料が定期保険よりずっと高く、10年ごとに見直しとしますと、その際に加齢により保険料が急上昇し、最終的に保険を継続できなくなる場合が少なくありません。

会社で生命保険をかけてくれているようなので、個人的に加入する必要はないでしょうか。

勤務中はそうかもしれませんが、退社すると保障がなくなってしまいますね。退社時に保険に加入すれば問題ないと言えますが、その際に何か病気にかかっていたら保険に入れないかもしれませんし、年齢が高いと保険料が高くなります。もし経済的に余裕があるのであれば若いうち、健康なうちに満期まで保険料が上がらないタイプの保険に加入しておきたいものです。

来英前に加入していた日本の生命保険にまだ加入中です。子供の教育上、長い間英国にいるつもりなので解約して英国の保険に加入した方が良いでしょうか。

日本の生命保険は医療保険と重なる商品が多いようです。例えば、死亡保険に入院給付金が1日1万円付いているような場合。英国では、基本的に病気治療には入院も含めて国民医療制度(NHS)が負担しますし、会社が医療保険を提供している場合には、治療費に入院費も含まれます。従って、その特約は必要ない、言葉を変えれば、必要のない特約分の保険料を支払っていることになります。保険はその国の社会保障制度や生活慣習に基づきデザインされているので、生活している国で検討された方が無駄がないかもしれません。保険の掛け替えに関しては専門家にご相談なさることをお勧めします。

※ 次回のマネー教室は2018年2月15日に掲載致します。
当コラムは2017年12月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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