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ロンドンのゲストハウス
Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第26回: デュー・デリジェンスと取引のプロセス

前々回に、デュー・デリジェンスについて基本的な事項を説明してもらいました。デュー・デリジェンスの作業には一体どのようなものがあり、それらが企業買収のプロセスにどのように適合するかを聞いたところで中断したと思います。続きを話してもらえますか。

まず、企業買収のプロセスを5段階に分けると、買収する企業の選定、初期的な合意、デュー・デリジェンス、最終合意・取引完了、そして事業統合となります。つまり、デュー・デリジェンスは企業買収プロセスの3番目に当たります。

デュー・デリジェンスの作業の大部分は初期的な合意の後となりますが、様々な問題に関わってくるため、この合意段階でも調査を行う会計士には参加してもらうのが良いでしょう。同様に優れたデュー・デリジェンスの報告書であれば、取引完了後の段階に関わる問題も明示します。

早い段階から会計士に参加してもらえば、デュー・デリジェンスを円滑かつ迅速に進めるのに役立つでしょうね。

そうです。それに作業の焦点を絞り、経費を抑えることができます。ただ貴社とデュー・デリジェンスを実施するチームの間で、作業の内容や提出する成果について事前に明確にしておくことが必要です。

デュー・デリジェンスにはどういった要素があるのですか。

典型的なデュー・デリジェンスは、大体次のようになります。

● 予備的評価
取引全体が頓挫する可能性を持つ基本的な問題を明確にしておくための徹底した評価です。必要なデュー・デリジェンスの範囲やその焦点を決める際にも役立ちます。

● 事実調査・分析・解釈
組織や重要人物、企業の製品と活動、財務報告書とその根拠となる記録、会計・運営マニュアル、キャッシュ・フローの根拠となる記録、資産と債務、計画・見通し、規制関連文書などの既存情報の検討が含まれます。実地調査で多いのは重要人物への聞き取り調査で、これには買収する企業の財務部門だけでなく、あらゆる分野が含まれます。

デュー・デリジェンスの実施チームは、買収する企業とそれを取り巻く環境を十分に理解した上で入手した情報を分析します。過去の成長率やそのほかの主要データを計算し、利益の質や今後の見通し、さらには主な前提を変更した場合の影響や関連したリスクも評価します。

● 報告
実施チームは報告書をまとめて関連情報を提供し、リスクや不確実性、考慮がさらに必要な分野を明示した専門家の解釈を提示します。報告書には買収する企業に関する見解や結論が盛り込まれることもあります。

本当に膨大な作業量ですね!

デュー・デリジェンスの結果は、売却・買収契約の条件をまとめる過程に関してかなりの量の情報を提供することになります。特に報告書でリスクが示されれば、これを軽減するため保証や補てんが求められることがよくあります。

さらに、取引が最終的に成功するかどうかは買収する企業を自社にうまく統合できるかどうかに大きく左右されることが多く、ここでもデュー・デリジェンスは早めに問題点を警告する手段として役立つことがあります。

デュー・デリジェンスの作業を実施してくれる事業者への指示について何か注意すべきことはありますか。

この点は、デュー・デリジェンスについての最終回として次回に取り上げましょう。

スティーブン・ダビースティーブン・ダビー
マネージング・パートナー
デロイト時代から多くの日系企業を担当。その鋭い感性から日系クライアントが求めるサービスを的確に見抜いて絶大な信頼を得る。趣味はアンティーク模型で、海外のオークションにも出向くほど。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
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