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Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第25回: 今知っておきたいIFRSの現状

IFRS(International Financial Reporting Standard)については、経営者や経理部に留まらずシステム部から人事部まで興味を持たれている方が多いと思います。しかし日本と英国では事情が異なり、また留意すべき点も同じとは限りません。

日本と英国のIFRS導入状況はどう違うのですか。

日本では現在、上場企業にのみ、国際会計基準であるIFRS採用の選択肢が与えられており、2017年以降に、すべての上場企業と一部の非上場大企業のIFRS採用が強制化されるであろう流れです。翻って、英国では既に2005年より上場企業はIFRSベースによる決算書の開示が義務付けられています。さらに次の段階として中小企業も含めた株式非公開企業向けのIFRS for SMEs( Small and Medium Entities)採用に向けた動きの中にあります。

IFRS SMEsは、通常のIFRSとどう違うのですか。

IFRS SMEsは、IFRS完全版を非上場の中小企業向けに再編したものであり、完全版に比べて開示義務の範囲がはるかに少なく、またいくつかの会計処理が簡素化されたり、計上方法の選択肢が減らされるなど、採用企業の負担を大幅に軽減するようにデザインされています。こうした理由から、中小規模の日系子会社にとっては、同じIFRSを採用するにしても、完全版よりもSMEsの方が恩恵が多いと言えます。

では、IFRS SMEsを採用すればいいわけですね。

残念ながら、IFRS SMEsはまだ英国では認められておらず、今移行を決める場合は、完全版を採用しなければなりません。しかし現在、英国の企業が採用できる会計基準を3層に分ける計画下にあります。

• Tier 1 公的説明責任の有る企業 IFRS完全版
• Tier 2 公的説明責任の無い企業 FRSME( IFRS SMEs)
• Tier 3 公的説明責任の無い小企業 FRSSE

FRSMEとは、現在の英国会計基準であるUK GAAPがIFRS SMEsをベースとして改訂されて名前が変わるものです。多くの日系企業が、上記のTier 2に当たるため、FRSME(IFRS SMEs)が導入されれば、日系子会社はこれを採用することが可能になります。Tier 3については議論を呼んでおり、姿を消す可能性もあります。

しかしIFRS SMEsを採用するにせよ、現行のUK GAAPからの移行の際に影響はありますよね。

その通りです。ただ注目する必要があるのが、日本と英国では事情が異なるということです。JAPAN GAAPからの移行とUK GAAPからとでは影響が生まれる範囲やその規模が異なり、従って本件に関する日本国内での問題が必ずしも英国子会社にとって考慮すべきものであるとは限りません。例えばIFRSの根底となる「原則ベース」については、規則ベースのJAPAN GAAPからの移行では広範囲な影響が予想されますが、もともと原則ベースのUK GAAPからでは、会計基準との付き合い方において大きな混乱は生じないでしょう。詳細については会計士に相談されることをお勧めします。

IFRSに関する情報が溢れていて、何から手をつけていいか混乱してしまいます。セミナーを開催されると聞きましたが。

11月23日に開催するセミナーでは、IFRS完全版とSMEs版の違いや、移行に際しての影響などを解説する一方、在英日系子会社という立場から見て、考えるべき点と考えなくてもよい点を整理してみたいと思います。興味のある方はぜひご参加ください。

高西 祐介高西 祐介
監査・会計シニア
英国勅許公認会計士。クライアントのビジネス理解に柔軟なアプローチを発揮。

トニー・サイアントニー・サイアン
パートナー
監査パートナー。日系企業など国際ビジネスの監査を長年にわたり担当。

 

パートナー陣

  • 会計パートナー陣スティーブン
  • 会計パートナー陣ポール
  • 会計パートナー陣ニック
  • 会計パートナー陣ジョン
  • 会計パートナー陣イアン
  • 会計パートナー陣シャロン
  • 会計パートナー陣祐介

当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
更なる情報やアドバイスをお求めの場合、別途下記までご連絡ください。

グリーンバック・アラン LLP
「日系に強い会計事務所」として長年にわたり多くの日系クライアントに、会計、監査、税務、各種アドバイスから経理業務まで幅広いサービスを提供。迅速かつ的確な対応をお約束いたします。日系部署が、窓口から実務まで日本語にてサポート。

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