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Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第24回: デュー・デリジェンスについて その1

最近、「デュー・デリ(デュー・デリジェンス)」という言葉が頻繁に使われていますが、一体どういう意味ですか。

もともとは法律用語で、「適切な配慮や注意、努力を払って」という意味です。しかし現在、最も一般的に使われている意味は、企業の買収を考えている側が購入対象となる企業について理解するため、その企業を詳しく調べる手続きのことです。具体的には、デュー・デリジェンスとは入手できる情報を確認するとともに、隠されたリスクを見つけ出すことです。

でも、企業買収とは関係がないような様々な文脈で使われているのを聞いたことがありますが。

そうですね。「ある組織との取引を始める前にその組織をよく調べること」という意味で、非常に幅広く使われています。極端な例を挙げると、インターネットの販売サイトで購入するかどうかを決める前に、販売者に関するコメントや評価を確認することがあるかと思いますが、これも一種のデュー・デリジェンスと考えることができます。

なるほど。ただ企業買収の場合だけでも、デュー・デリジェンスにはいくつか種類があるようですね。

その通りです。主なものは財務、業務、運営、法務のデュー・デリジェンスです。大まかに言うと、こうしたデュー・デリジェンスは、企業会計が正確か、その企業の製品やサービスは利益を生むのか、その企業は実際に製品やサービスを提供できるのか、企業の売却に関してその企業の法的権利や義務は何なのかといった疑問に対応します。

デュー・デリジェンスの作業で重視する項目はほかにもたくさんあります。例えば税務、年金、ITシステム、専門的な技術事項、知的財産、人事、規制の問題、環境面などもその対象となります。

買収のプロセスではどういった役割を果たすのですか。

買おうとする側の意思決定者が交渉する上で利用します。自分の理解を確認するだけの場合もあれば、価格や支払い条件について再交渉して取引の条件を定める場合や、保証や賠償について交渉する場合に役立つこともあります。場合によっては、デュー・デリジェンスで明らかになった情報によって、買う側が取引から完全に手を引くこともあります。

それでは、デュー・デリジェンスを実施するためにアドバイザーに依頼してお金を出すのは、買う側というわけですか。

普通はそうですね。恩恵を受けるのは買う側ですから。ただ、売る側が自社についてデュー・デリジェンスを手配し、買おうとする側に結果を伝えることも増えています。これは特に、企業の買収をめぐって競合相手が多い場合に行われます。こうすれば買う側への情報の流れを管理できますし、外部から何度も調査を受けることでその企業の活動が妨げられることを最小限にとどめることもできます。

その場合には、買う側が頼ることのできる情報は売る側の報告だけというわけですか。

その可能性もありますが、最も望ましいのは、一定のデュー・デリジェンスを自分で実施することです。買う側の視点を取り入れるためにお金を払って入手した専門的な報告書を、新たな観点で状況を見直すことになるかもしれません。

では、デュー・デリジェンスには一体何が盛り込まれ、それが買収のプロセスにどう適合するのですか。

すみませんが、今回はここまでです。続きは次の機会に!

スティーブン・ダビースティーブン・ダビー
マネージング・パートナー
デロイト時代から多くの日系企業を担当。その鋭い感性から日系クライアントが求めるサービスを的確に見抜いて絶大な信頼を得る。趣味はアンティーク模型で、海外のオークションにも出向くほど。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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