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ロンドンのゲストハウス
Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第22回: 歳入関税庁の中小企業に対する取り締まり

歳入関税庁(HMRC)が、会計記録のずさんな中小企業に対する取り締まりを強化するというニュースを聞きましたが、これは我々のような日系企業も心配すべきことですか。

少なくとも、自社の会計記録が法を順守しているか再確認するのに良い機会となります。HMRCによるこの取り組みでは税のあらゆる面が対象となりますが、特に危険性が高い分野はペイロール(給与計算)とベネフィット(みなし給与)で、中でもオーナー企業においてです。それとVAT(付加価値税)の問題で、特に国際的な取引を行っている企業ですね。

VATについて少し気になります。海外の顧客との取引ではどういった証明が必要ですか。

海外の顧客に提供したサービスの料金を請求する場合は、顧客が実際に事業活動をしているという証明があれば、英国のVATの対象外となります。証明として最も適しているのは、顧客のVAT登録番号です。ただし、その番号が本物かどうかを確かめる必要があります。VAT番号が正しいかどうかを 調べる方法の一つは、ウェブサイト(http://ec.europa.eu/taxation_customs/vies)で確認することです。このウェブサイトでは、特定のVAT番号に結び付いた企業の社名や住所が分かります。また、ほかにもHMRCのVATヘルプライン(Tel: 0845 010 9000)に問い合わせることもできます。こうしたチェックを定期的に行って、VAT番号の詳細が引き続き正しいことを確かめなければなりません。

商品の輸出についてはどうですか。

商品を欧州連合(EU)域外に輸出するか、またはほかのEU諸国でのVAT登録をしている顧客に輸出する場合には、その商品が英国から実際に出荷されたという証明を顧客が持っていれば、ゼロ税率になります。先ほど述べたVAT登録の証明に加えて、この輸出証明を6年間保管しておく必要があります。

顧客が商品を自分で出荷しようという場合には、輸出の証明を商品の供給者側に3カ月以内に提示することになります。これには出荷の日程やルート、利用した輸送手段が明記されていなければなりません。顧客から「VAT預かり金」を徴収し、輸出証明の提示を受けた時点でこれを還付することを検討してもよいでしょう。

顧客が事業活動をしていない場合はどうなりますか。

一般的には、事業活動をしていない個人の海外顧客へのサービス販売に対しては、サービスを英国内の顧客に提供したかのような形でVATの税率を課します。ほとんどの場合は標準税率で、現行では20%です。ただし一部のサービスについては、顧客がEU域外に居住していれば英国のVATは課せられません。この場合、サービスは顧客が居住している場所で提供されたと見なしますので、英国の供給者は顧客の住所の詳細を入手し、顧客の記録の一部として保管する必要があります。もしVATに相当する金額が大きくなる場合には、その住所の証明も入手しておく方が良いでしょう。

EU内の非法人顧客に対する商品の販売では、複雑な「遠距離販売」のルールや「提供地」のルールの対象となりますので、必ず専門家のアドバイスを受けるようお勧めします。

もし何か間違った場合や細かな点などを見落とした場合にはどうなりますか。

既存の法規を利用した上で罰金が科されることになります。現在、HMRCは通常では30%の罰金を科していますが、1年間の支払い猶予期間があり、その期間中に税務上でほかに間違いを犯さなければ、罰金は減額されます。

ポール・ブラッドリー ポール・ブラッドリー
パートナー
VATパートナー。関税で17年の経験を積み、通算20年以上この分野の専門業務に携わる。グローバル企業の頭を悩ます複雑なVAT問題を鮮やかに解決。F1観戦が趣味で、マクラーレンのファン。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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