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Tue, 22 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第21回: 英国での会社清算

親会社のグループ再編の決定を受けて、英国子会社を清算することになりました。まず、何から考慮する必要がありますか。

会社が自主的に清算を選ぶ場合は任意清算となります。この任意清算にも、Members Voluntary Liquidation(MVL)とCreditors Voluntary Liquidation(CLV)があります。前者はすべての債務を完済できることを証明する必要があります。債務超過などの場合は後者となり、MVLに比べて少々面倒なプロセスになります。御社の債権債務状況はいかがですか。

実は親会社からのローンが資産を大きく上回っていて、返済できそうにありません。MVLで進めるのは無理でしょうか。

株主である親会社の決定で清算するので、会社清算を開始する前に親会社が債権放棄の手続きを取ることによってMVLを選択するということも可能でしょう。

仮にMVLで進めるとして、清算に向けて何を準備すべきですか。

社屋などのリース契約、従業員の解雇、顧客やサプライヤーとの契約などを解決しておく必要があるでしょう。また固定資産や棚卸資産の除却、法人税・VAT、解雇が進む中で帳簿の管理をどうするかなどを考慮しなければなりません。清算人の任命後は会社の資産、債権債務、帳簿などすべて清算人が管理しますが、清算人の報酬は残された作業量によって大きく変わります。不必要なコストを避けるためにも、任命前に帳簿を「すっきり」とさせておいたほうが良いでしょう。

法人税と言いましたが、年度末前に清算人を任命してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。

清算人の任命が会計年度内であっても、この日までの法人税申告を行わなければなりません。ただ、これに合わせて提出する決算書は、法定監査を受ける必要はありません。

清算人はどのように任命するのですか。

MVLを選ぶ場合、会社のダイレクターによるSolvency Declaration(会社が債務超過でないことの宣言)が必要です。その後、株主総会にて清算人の任命を行いますが、書面決議も可能です。清算人が任命されると、在任のダイレクターは自動的に辞任することになり、会社に対する権限を失います。銀行口座の残金もすべて清算人口座に移管されます。

清算人の任命後、何をすればいいのでしょうか。

清算プロセス開始後は、株主や元ダイレクターは特にすることはありません。清算人が残っている売掛・買掛の処理や、資産の売却などを進めます。税務当局よりクリアランスを取得した後、最終ミーティングを開催して清算完了となります。

思ったよりスムーズにいきそうですね。

ただし清算人の任命時において多くの作業を残した場合、クリアランス取得までより時間が掛かるでしょう。また最終ミーティングには一定の公示期間が必要なので、クリアランス取得後すぐに開催とはいきません。

清算終了した時点で資産が残った場合はどうなりますか。

最終的に残った資産はすべて株主に配当されます。最終ミーティングでは、清算人より清算レポートが配布されます。ここには清算人がこれまでに従事した作業詳細や清算人の報酬額、株主への最終配当金が明記されます。なお、カンパニーズ・ハウスから会社が完全に除名されるまで、さらに3カ月かかります。

スティーブン・ダビー スティーブン・ダビー
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デロイト時代から多くの日系企業を担当。その鋭い感性から日系クライアントが求めるサービスを的確に見抜いて絶大な信頼を得る。趣味はアンティーク模型で、海外のオークションにも出向くほど。

 

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