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Tue, 22 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第17回: 個人所得税の最新情報

もう3月ですね。英国の課税年度も来月前半(4月5日)に終わります。2009 / 10年の納税申告は1月末に提出しましたが、次回の納税申告について何か改正点はありますか。

個人所得税の基礎控除額は、2010 / 11年度については前年度と同じ6475ポンド(約87万円)に据え置かれますが、2011 / 12年度は1000ポンド引き上げられて7475ポンドになります。

本当ですか。それは朗報ですね。

多くの人にとっては朗報ですが、高額所得者にはそうでもありません。というのも、2010 / 11年度から調整後のネット所得が10万ポンドを超える場合には、基礎控除が減額されるのです。また所得が2ポンド増えるごとに基礎控除額が1ポンドずつ減ります。

「調整後のネット所得」とは、大まかに言うと年金保険料やチャリティーへの寄付、損失控除分を差し引いた全所得のことです。さらにグロスで所得が15万ポンドを超える人には、2010 / 11年度から50%の新しい税率が導入されますが、これは2011 / 12年度も引き続き適用されます。

つまり高給の人にとってのみ頭が痛い話ですね。私には関係ないかもしれません。

そう考えてしまうかもしれませんが、特に駐在員の場合は注意が必要ですよ。この15万ポンドには住宅手当や雇用主が従業員のために支払っている税金、カンパニー・カーとその燃料など、雇用主が提供している課税対象のベネフィットがすべて含まれます。

えっ、そうなのですか! 50%の税率を回避する方法は何かありませんか。

2010 / 11課税年度についてはもう終わりますので対応は難しいですが、2011 / 12課税年度に関しては2011年4月6日から始まりますので、50%の課税対象とならないよう所得の調整を行う時間がまだあるかもしれません。今後の税法の改正を考慮する必要がありますが、例えば、英国の登録年金制度への拠出や寄付のインセンティブとして使われる「ギフト・エイド(Gift Aid)」の利用、株主や取締役の場合なら所得の繰り延べなどで、所得を圧縮するという方法などがあります。

なるほど。いくつか方法はあるのですね。

各人の状況によって取るべき対応が全く違いますので、具体的なアドバイスが必要な場合は速やかに専門家に相談してください。

分かりました。他に何か改正点はありますか。

基本税率が適用される課税所得の上限が、現在の3万7400ポンドから2011 / 12年度には3万5000ポンドに引き下げられます。このため基礎控除額が引き上げられる分も考慮すると、総所得が4万2475ポンドを超えた場合は課税率が20%ではなく40%になります。

ということは、基礎控除額を引き上げられても基本税率の課税所得帯は減るわけですか。良いことだけで済むとはいかないのですね。他にも情報のアップデートはありますか。

総所得の一部に配当所得がある場合、総所得が基本税率の20%の範囲内にある場合は配当所得に対する税率は10%ですが、総所得に40%の税率が適用される場合の配当所得の税率は32.5%、50%の最高税率が適用される場合には42.5%になりますので、そちらも注意してください。

ニック・ニコラウニック・ニコラウ
パートナー
税務パートナー。国境を越えて展開する日系企業や駐在員への税金アドバイスなど、国際税務を専門とする。税金はコントロール可能な経費、というのが持論。初孫と遊ぶのが週末の楽しみ。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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