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Tue, 22 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第16回 記録の保存


我が社はオフィスを移転するため、保管書類の量を減らす必要があります。そこで聞きたいのですが、会計書類や税務書類の保存が義務付けられている期間はどれくらいですか。

数多くの法規制がある上、上場企業か未公開企業かによっても違ってくるため、一概には答えられません。ただ大まかに言うと、会計関連や税務関連の記録は、その記録が関係した会計年度や税務年度が終了してから6年間は保存することをお勧めします。もちろん企業によっては、事業上の理由で書類を参照する目的のため、一部の書類をこれより長く保存する必要がある場合も出てくるでしょう。

6年間の保存という規則の例外としては、主にどんなものがありますか。

資本項目に対するインボイスや現金収入の記録、また売上元帳の記録はそれぞれ10年間、リース関連の書類は15年間の保存が必要です。組織図や権利証書、取締役会議事録、年次財務報告書、投資証書、有価証券元帳、固定資産登録、年金信託証書、各種議事録、保険・投資証券、保険数理報告書、保険負担金記録はいずれも永久保存すべきです。

そうですか、それは妥当な線ですね。そうした書類の大半は、いずれにしても永久に保存しようと思っています。他に考慮すべき重要な点はありますか。

従業員関連や給与支払い関連の書類の保存期間は、法律上の規定では6年未満のものが多いのですが、会社に対して民事訴訟を起こせる期限をカバーできるように6年間は保存することをお勧めします。

ちなみに未公開企業の会計記録の保存も法律上では6年未満となっています。なお、1998年データ保護法により、どんな情報でも必要以上に長く保存してはいけないと定められている点も覚えておいてください。

こうした記録はハード・コピーで保存しなければいけませんか。それとも省スペースのため電子的に保存してもいいですか。

圧倒的大多数の場合、電子的な記録で全く問題はありません。記録を電子的に保存する場合には、適切なバックアップの方針を定めておくことが大切です。また、記録は常に利用できるようにしておき、ソフトの更新による影響にも注意しなければなりません。さらに電子メディアは破損や劣化の影響を受けることがある点にも注意が必要です。

保存場所も決められているのでしょうか。

会計記録は企業の登録事務所、または取締役が適切と考える場所に保存しなければなりません。もし原本を英国外で保管する場合には、少なくとも6カ月ごとの企業の財務状況を示す財務報告書を英国内のどこかに保管しておく必要があります。また取締役やメンバーの登録、決議の記録、出費などの記録や文書といった社内記録は、企業の登録事務所に保存しておくべきです。

もし規則どおりに記録を保存しない場合にはどうなりますか。

対象となる規則や違反の状況によって違ってきます。罰金を科せられる場合があるほか、関連当局による問責や厳しい監視を受ける可能性もあり、従業員の時間を取られるなど不必要な費用が発生します。ただ記録を正しく保存する最大の理由は、一般的には企業の利益の保護に役立たせるためです。

スティーブン・ダビー スティーブン・ダビー
マネージング・パートナー
デロイト時代から多くの日系企業を担当。その鋭い感性から日系クライアントが求めるサービスを的確に見抜いて絶大な信頼を得る。趣味はアンティーク模型で、海外のオークションにも出向くほど。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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