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Fri, 18 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第14回: クラリティ版の国際監査基準(ISA)


クラリティ版の国際会計基準(ISA)とは一体何ですか。

これは国際監査・保証基準審議会(IAASB)が取り組んでいる「クラリティ・プロジェクト(ISA記載内容の透明化)」の成果です。このプロジェクトの目的は、監査基準をもっと分かりやすくし、矛盾なく確実に適用できるようにして、その結果として監査の質を向上させることにあります。

私は監査人ではありませんが、私のような者にはどのような影響があるのですか。

あなたの会社が監査を受けた場合、分野によっては監査の方法に今までとの違いが見られるかもしれません。監査人からこれまでとはやや違った質問をされることも考えられますし、監査の焦点が移る可能性もあります。個別の状況について詳しく理解したい場合には、監査人に確認してください。

そうですか。ISAのすべてが変わったのですか。

そうです。全体的な書き直しが行われました。それぞれの基準は新しい形で構成されており、明確な目的や定義、要求事項が示され、適用指針やその他の説明資料も一緒になっています。新しい基準では、何が要求事項で何が単なるガイダンス(適用指針)なのかが理解しやすい構造になっています。

他に何か関連した変更点はありますか。

これに加えて「国際品質管理基準1(ISQC 1)」が書き直され、品質管理手続きのガイダンスの改訂版がクラリティ版ISAと同時期に発効します。

重要な変更点をいくつか教えてください。

■ マネジメント・オーバーライドは重大なリスク
この分野の手続きについての要求事項は新しい基準にも引き続き記載されていて、マネジメント・オーバーライド(経営陣が不正な目的のため内部統制を無視すること)は重大なリスクとして扱われます。内部の不正行為を調べる際には、この分野に従来よりも時間を割くべきです。
■不正行為では関連当事者も考慮する
この基準は、関連当事者が関与した場合の方が虚偽表示のリスクは高くなるとの認識に立っています。
■確認を幅広く利用する
監査人が独立した第三者から監査証拠を入手するよう勧めています。特に広範に積極的な確認を利用することや直接的な確認の利用を増やすことを提案しています。
■継続企業についての考慮
とりわけ大きな変更点としては、継続企業として続けていく能力に疑いが生じる可能性のある事象や状況が確認された場合における具体的手続きの要求事項を明記していることなどがあります。
■監査報告書の書式
監査人は、監査報告書で何かを強調する段落の挿入や修正を検討する際には、報告書の書式に注意しなければなりません。
■グループ企業の各監査人との業務を含むグループ企業の監査
改訂された基準では、グループ財務諸表に関与する監査チームとグループ企業の各監査人との関係について新たな要求事項を定めています。

さて、この新しいISAはいつから発効するのですか。

36に及ぶクラリティ版の監査基準が、2009年12月15日以降に始まっている会計年度の監査に対して適用されます。

当社の会計年度末は2010年12月31日ですが……。

はい。今年度末が2010年12月ということで、原則的に新しいISAが適用される最初の年ということになりますね。

トニー・サイアン トニー・サイアン
パートナー
監査パートナー。日系企業など国際ビジネスの監査を長年にわたり担当。日本カルチャーへの理解から、迅速かつきめ細かい対応とアドバイスに定評がある。アーセナルの大ファン

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
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