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Fri, 06 December 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第11回 2010年6月発表の緊急予算の影響 ②

前回は緊急予算の個人への影響について話をうかがいましたが、法人税において何か改正はありますか。

はい、あります。政府は企業を支援し海外からの投資を引きつけ、これによって長期的に英国経済を強化しようと考えています。このため法人税の基本税率は、現行の28%から今後4年間にわたって毎年1%ずつ引き下げられます。つまり、2011年度には27%になり、以後26%、25%と下がって14年度には24%になります。小企業の法人税率も、現行の21%が11年度には20%に引き下げられます。

それは朗報ですね! でも朗報だけで終わるとは思いませんが。

鋭いですね!資本支出に対して利用できる課税控除「キャピタル・アローワンス」に様々な改正があり、そのほとんどは企業にとって不利となります。主なものは次の通りです。

● 年間投資償却(AIA):
現在、ほとんどの企業には、自動車を除く設備や機器の支出に対して毎年10万ポンド(約1330万円)まで償却が認められています。これが12年度から2万5000ポンドに引き下げられます。

● 減価償却(WDAs):
現在、AIAの対象ではない資本支出の大部分については、毎年20%の償却が認められています。これが12年度から18%に引き下げられます。さらに長期耐用年数資産や断熱設備、二酸化炭素(CO2)の排出量が160g/kmを超える自動車など、一部の資産に適用されている10%の償却率も12年度から8%になります。

このため、企業には従来通り資本支出に課税控除が認められるものの、償却期間は長くなります。

緊急予算の内容のほとんどは企業にとって不利になるとのことでしたが、有利な点もあるのですか。

今後5年間についてはゼロ・エミッション車(CO2排出量ゼロの車)に特別償却が導入され、購入した年に費用の100%を償却できます。

なるほど。他にも何かありますか。

前回も指摘しましたが、11年1月4日から付加価値税(VAT)の標準税率が、17.5%から20%に引き上げられます。これは個人だけでなく、企業にも確実に影響が及びます。キャッシュ・フローに影響が出る上、何らかの事情でVATの還付を受けられない企業にとっては、コストが増えます。顧客にとってVATが負担となれば価格設定が検討課題になり、追加コストを顧客に転嫁できない場合には利益率が圧縮される可能性があります。この改正に対応するため、管理面で万全の準備をしておくことが大切です。

VATについては知っておくべきことが多いようですね。ペイロール(給与支払い計算)での課税についてはどうですか。

これも前回お話ししましたが、社会保険料の保険料率が改正されるとともに、英国南東部以外の地域で新たに設立する企業については、雇用主の負担する保険料が一定期間免除されます。また、政府は早めに注意を促す目的でPAYE(給与の源泉徴収)制度の見直しを提案しており、これについて7月に諮問文書を出しました。大まかに言うとこの提案は、ペイロールについての情報の即時提出、および所得税・社会保険料の徴収における集中管理システムの導入という2点から成ります。まだ現時点ではどうなるか分かりませんが、実施されれば、ペイロールの課税処理が大きく変わることになると思います。

トニー・サイアン トニー・サイアン
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監査パートナー。日系企業など国際ビジネスの監査を長年にわたり担当。日本カルチャーへの理解から、迅速かつきめ細かい対応とアドバイスに定評がある。アーセナルの大ファン。

 

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