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Sat, 19 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第10回 2010年6月発表の緊急予算の影響

3月に予算が発表されたばかりなのに、なぜまた緊急予算なのですか。

通常、11月頃に予算案(Pre-Budget Report)が公表となり、その後の3月頃に予算(Budget)が発表されます。しかし、今回は新連立政権の誕生により、それまでの財政赤字への対応策として、6月に緊急予算が再度発表されました。

今回の発表で、個人に対してはどんな影響がありますか。

大きな変化といえば、下記のものになります。

● VAT:
現在の17.5%から20%に引き上げとなります。今回の目玉ともなっており、多くのメディアでも取り上げられた標準VAT税率の2.5%の引き上げは、2011年1月4日から施行されることになりました。尚、これまでと同様、食料や子供服、本などにはVATは課されません。また、家庭用の燃料などといった5%税率対象の項目でのレートの変更はありませんでした。

● 所得税個人基礎控除額:
2010/11課税年度より、65歳以下の個人に対し基礎控除額(税金がかからない収入額枠)が1000ポンド引き上げられ、7475ポンドとなります(2009/10課税年度は6745ポンド)。これにより約88万人が所得税の課税から免れると予想されており、また基本税率課税対象者(2009/10課税年度では合計収入が3万7400ポンド以下)は、200ポンド分の税金を払わなくてよくなります。

尚、2010/11課税年度分の基本税率課税対象の限度額が下げられると予想されているため、高税率対象者(2009/10課税年度では合計収入が3万7400ポンド以上)には、この基礎控除額の引き上げによって利益がもたらされるということは特にありません。この限度額枠組みは、9月の小売物価指数が発表されてから決定されることになっています。

● 社会保険料:
2011/12年課税年度よりClass1と1A(雇用主と従業員)が1%引き上げられ、雇用主側の社会保険料支払い枠の支払い開始金額を週21ポンド引き上げて雇用主側の負担を軽減し、雇用率の上昇を促します。従業員側は、社会保険料支払いが課せられる最低収入額が年間で570ポンド引き上げられます。また英国南東以外で新しく事業を設立した場合、従業員の最初の10人分までは、雇用主負担の保険料が控除(ただし上限5000ポンドまで)となります。

● キャピタル・ゲイン税:
2010年6月23日より、高税率所得者に対するキャピタル・ゲイン税が18%から28%へと引き上げられました。尚、年間控除額(2009/10課税年度分は1万100ポンド)に変更はありません。

● 住民税(カウンシル・タックス):
2011/12課税年度のカウンシル・タックスの引き上げを凍結します。

● 英国在住のノンドミサイル(非定住者)に関する税務:
見直しが図られると繰り返し発表されており、その見直しの主な目的は、英国経済の繁栄を担っている非定住者に対して、確実で安定した課税状況を構築するためということです。

大きなものだけで、これだけたくさんの変化があるわけですね。今回の発表を一言にまとめると、どんな内容でしょうか。

全体的に見ると、低所得者に対する課税が緩まり、多くの高所得者(会社従業員や自営業者)に対しては特に大きな変化はない内容になっていると思います。

次回は、法人関連の影響をまとめます。

ニック・ニコラウ ニック・ニコラウ
パートナー
税務パートナー。国境を越えて展開する日系企業や駐在員への税金アドバイスなど、国際税務を専門とする。税金はコントロール可能な経費、というのが持論。初孫と遊ぶのが週末の楽しみ。

 

パートナー陣

  • 会計パートナー陣スティーブン
  • 会計パートナー陣ポール
  • 会計パートナー陣ニック
  • 会計パートナー陣ジョン
  • 会計パートナー陣イアン
  • 会計パートナー陣シャロン
  • 会計パートナー陣祐介

当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
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