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Fri, 18 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第9回 書式P11D: 経費とベネフィット(手当)

書式P11Dを作成しているところですが、あまりよく分かりません。そもそもP11Dとは何か、教えてもらえますか。

歳入関税庁(HMRC)は、あらゆるタイプの報酬がきちんと課税されているかを確かめたいと考えています。このため雇用主はHMRCに対して、役員や従業員に支給したすべての経費やベネフィットの詳細についての申告を毎年行うことが義務付けられています。P11Dはそのためのものです。

P11Dでの申告は、役員と従業員の全員が対象になりますか。

若干の例外はありますがすべての役員、そして年に8500ポンド(約110万円)以上の収入のある全従業員が対象になります。申告するものが何もなければP11Dを提出する必要はありませんし、ペイロール(給与計算)で完全に課税されているベネフィットもP11Dで申告する必要はありません。

ベネフィットというのは、社有車や住宅手当、医療保険料などのことですね。

そうです。ただ、ベネフィットには意外なものも含まれます。例えば貸し付けや会社の資産の利用、会社が補助する社員食堂、会社が従業員のために支払う会計士や税務サービスの費用などです。ベネフィットの金額は役員や従業員が負担した分を差し引いた費用で、仕事で利用した場合には控除を申請できます。また車や自動車燃料、資産の利用、貸し付け、出張旅費については特別な規則があります。

立替経費はどういったものを申告しなければいけませんか。

立替経費もすべて申告する必要があります。法人クレジット・カードで支払った分もすべて申告します。金額はすべて付加価値税(VAT)込みとすることに注意してください。

役員や従業員は、立替経費にも課税されるわけですか。

いいえ。申告しなければいけませんが、仕事を遂行する上で「すべてが、その仕事のためだけに、必然的に発生した」という経費は、いずれも控除を申請できます。例えば出張した時のタクシー代やホテル代、航空券を立て替えて後で会社が支払ってくれる場合には、申告しなければいけませんが控除できます。一方、会社が通勤定期券を払ってくれる場合には課税されます。こうした基準は極めて厳格な上に、非常に細かい規則があります。

何か例外はありますか。

例えばクリスマス・パーティーですと、1人当たり最高150ポンドまで、また会社が支給した携帯電話、8000ポンドまでの転居費用、自動車の走行手当(1マイル当たり最高40ペンス)、出張時の一部経費に対する手当などです。こうした例外にはすべて厳密な規則があり、上限金額も時々変わります。また宴会費など従業員向けの慰労費のように、支出額が上限を超えると、超えた分だけではなくて、支出額全体に課税される場合もありますので注意が必要です。

特に難しい分野というのはありますか。

車や自動車燃料に関する規則は複雑な上に、車の二酸化炭素(CO2)排出量によって変わってきます。住宅手当も、賃貸住宅でない場合には面倒になる可能性がありますね。交際費や接待費も、状況によっては用心する必要があるでしょう。

間違ったり、期限に間に合わなかった場合はどうなりますか。

罰金が科せられます。提出が遅れれば、当初の罰金は1カ月につき100ポンドです。不正行為や過失により誤りがあった場合には、申告1件について3000ポンドの罰金となる可能性もあります。さらに罰金金額は、課税額と国民保険料の最大100%分となることもありますので、注意してください。

トニー・サイアン トニー・サイアン
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監査パートナー。日系企業など国際ビジネスの監査を長年にわたり担当。日本カルチャーへの理解から、迅速かつきめ細かい対応とアドバイスに定評がある。アーセナルの大ファン。

 

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