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Tue, 22 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第8回 国際会計基準(IFRS)

IFRSについて英国の状況がどうなのか本社が知りたがっているのですが、教えてもらえますか。

EU加盟各国は2002年から、企業に対してIFRSの任意での採用を認めるか義務付けるかを選べるようになっています。英国では2005年から上場企業にはIFRSの採用を義務付け、その他の企業には任意での採用を認めています。

なるほど。それでは大半の子会社にとっては任意というわけですね。IFRSを用いている非上場企業は多いのですか。

いいえ、それほど多くありません。IFRSは、特に資本市場に対する情報提供を目的としています。開示の要件は面倒で、非上場企業にとってはIFRSの導入は利点があったとしてもわずかであるのに対して、費用ばかりがかかると考える会社が大部分です。

状況は今後すぐに変わると思いますか。

はい。英国の会計基準は徐々にIFRSへの収れんに向かっていて、会計基準の設定機関は、今後数年間で英国会計基準(UK GAAP)がIFRSに切り替えられるとの見通しを示しています。そうは言っても、現時点でIFRSへの切り替えを義務付ける時期が決まっているわけではありません。

当社のような中小企業がIFRSを採用すると、膨大な作業が余計に増えることになりませんか。

「中小企業向けIFRS」と呼ばれる、大幅に簡略化したIFRSがあります。これは公式な説明責任が不要で一般的な目的で財務諸表を公開する企業・団体向けのもので、完全版IFRSの10分の1程度の規模となる、単独で独立した会計基準です。

この会計基準では、「中小企業」とは何を指すのかという点について数量的な基準を定めていないので、英国で厳密にどういう企業が該当するのか、まだ分かりません。ただ、大半の企業は完全版IFRSを採用する必要はないと考えて間違いはないでしょう。

こちらの準備さえ整えば、中小企業向けIFRSに今すぐにでも切り替えることはできるのでしょうか。

いいえ、まだです。中小企業向けIFRSはEU法では採択されましたが、英国ではまだです。ただ、間もなく変化がある模様で、最新の見通しとしては、UK GAAPから中小企業向けIFRSに切り替わるのは2013年1月1日以降の会計年度です。

まだ先のことですね。私たちにとって大きな変化はありますか。IFRSとUK GAAPの主な違いは何でしょうか。

これまでの枠組みが一部変更されるのではなく、全く新しい会計の枠組みになると考えるべきですね。とはいえ、大部分の企業にとっては大きな影響はないでしょう。注意しなければいけない点としては棚卸資産や繰延税金、キャッシュフロー計算書、投資不動産、従業員手当に関する変更点などがあります。最もはっきりとした変化は用語になりそうです。

用語ですか。それは、どういうことですか。

IFRSでは、損益勘定は「損益計算書(income statement)」と「包括利益計算書(statement of comprehensive income)」に変わり、貸借対照表は「財政状態計算書(statement of financial position)」に、借方と貸方は「売掛金(receivables)と買掛金(payables)」に、固定資産は「非流動資産(non-current assets)」に、在庫は「棚卸資産(inventory)」になります。

最新情報を確実に入手したほうがいいですね。引き続き情報を提供してもらえますか。

はい、もちろんです。新たな変化や情報が出た場合には最新のものをお伝えします。

トニー・サイアン トニー・サイアン
パートナー
監査パートナー。日系企業など国際ビジネスの監査を長年にわたり担当。日本カルチャーへの理解から、迅速かつきめ細かい対応とアドバイスに定評がある。アーセナルの大ファン。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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