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Tue, 22 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第5回 付加価値税(VAT)

英国で新しく子会社を設立するのですが、VATの登録をする必要がありますか。

課税対象の供給を行う企業で、売上高がVAT登録の最低限度(現行では12カ月間に6万8000ポンド)を超える場合には、必ず登録して、取引でVATを明記しなければなりません。最低限度に達すると分かったら、すぐに登録する必要があります。登録が遅れると罰金を科せられる可能性があります。

「Taxable Supplies(課税対象の供給)」とは何ですか。

「供給」とはもともと、企業が提供する商品やサービスのことです。大部分の供給にはVATの標準税率(現行で17.5%)が適用されますが、軽減税率やゼロ税率のものもあります。また一部の供給についてはVATが免除されますし、VATの範囲外という取引もあります。

任意で登録することもできますか。

はい、できます。登録の最低限度を下回る場合、あるいは日本の親会社に支払う管理費のようにVATの範囲外の供給を行っている場合でも、VATの登録はできます。登録する利点は、商品やサービスの支払い時に一緒に払うVATを返還してもらえることです。

VATの登録前に取引を開始してもいいのですか。また登録手続きにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。

登録の申請手続き中でも取引はできます。その間、顧客に請求書を発行できますが、そこにVATを記載することはできません。登録手続きが完了したら、VATを記載した請求書を再発行できます。

登録には、歳入関税庁(HMRC)がVAT番号を発行するまでに、数週間あるいは数カ月かかることもあります。

今年、英国のVAT制度で一部改正がありませんでしたか。

欧州全体で改正がありました。これは、基本的には顧客の所在地がある国のルールに従うというものです。例えば英国企業が日本の顧客にコンサルティング・サービスを提供する場合、サービスの提供場所が日本なので、英国のVATは徴収しません。

ただ、この基本ルールには例外がたくさんあります。VATに関するルールは非常に複雑なので、自社の供給に基づいたアドバイスを受ける必要がありますね。

ほかに提出が必要な書類はありますか。

EU内のほかの国の企業に商品やサービスを供給している場合には、「EC販売リスト」を作成してHMRCに取引の詳細を報告しなければなりません。普通は四半期(3カ月)ごとにリストを作成しますが、四半期に7万ポンド相当を超える商品を供給する場合には、毎月作成する必要があります。 また、年間の輸出入の最低限度額(現行では輸出が25万ポンド、輸入が60万ポンド)を超える場合には、イントラスタット申告(欧州内貿易統計申告)を提出しなければなりません。これは、EU加盟国間の輸出入の詳細な記録のことです。なおEU域内貿易の統計では、輸入には「arrivals(着荷)」、輸出には「dispatches(発送)」という言葉を使っています。

間違いがあったら罰金を科せられますか。

はい。罰金の金額は、どの程度の間違いか、また偶然か故意かによって課税金額の5〜100%の間で違ってきます。

いずれにしても非常に複雑なようですね。

ええ、そうですね。ですから少しでも分からないことがあれば、専門家のアドバイスを受けることを是非お勧めします。

ポール・ブラッドリー ポール・ブラッドリー
パートナー
VATパートナー。関税で17年の経験を積み、通算20年以上この分野の専門業務に携わる。グローバル企業の頭を悩ます複雑なVAT問題を鮮やかに解決。F1観戦が趣味で、マクラーレンのファン。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
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