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Tue, 22 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第3回 駐在員の税金申告での注意点

当社には、日本の本社から英国に派遣されてきた駐在員がいます。当社にその社員の税金を支払う法的責任はありますか。

単純な答えとしては、イエスです。法的には英国法人が納税面で雇用主となります。つまり、駐在員の給与に対する課税や社会保険料を処理する責任は、あなたの会社にあります。

駐在員の日本での所得については、英国では課税されないというのは本当ですか。

難しい質問ですね。その駐在員が英国にどのくらい長く滞在する予定か、職務内容はどうか、実際にどこで業務を遂行するのか、日本での所得のうち、英国にどのくらいの金額を送金するかなど様々な要因によって答えは変わってきます。規則が複雑なので、適切な金額だけに課税されるようにするための専門的なアドバイスを受けることをお勧めします。

ほかに注意すべき点はありますか。

そうですね。赴任手当には課税されるものとされないものがあり、また8000ポンド(約116万円)の上限を超えた分についてのみ課税されるといったものもあります。ちなみに、車や住居、医療保険、学費、税金分の支払いなど現物給付に相当するものは、すべて課税の対象となります。

でも、住居については課税されないと聞いたことがありますが。

厳密には住居は課税の対象となりますが、特定の状況では滞在費として処理することができて、課税されません。大ざっぱに言えば、これは赴任期間が24カ月未満を予定している場合に適用されます。

あと、英国では所得税の支払い方が日本と違うと聞いたのですが、これはどういう意味ですか。

企業が従業員に代わって所得税を支払っている場合、納税額を計算するために、いわゆる手取りの給与額を「グロスアップ計算」して所得後の総支給額を出します。例えば課税所得に適用される税率を40%とすれば、従業員に100ポンドを支払うたびにその従業員は167ポンドの給与を受け取っているとみなし、所得税として67ポンドを支払うことになります。2010年4月6日からは、グロスアップ計算した年収が15万ポンドを超える場合の課税率が50%になりますので、この収入の水準では、従業員に100ポンドを支払うたびに100ポンドが課税されることになります。

この給与支払い計算手続きについて、簡単に処理を行える方法はありませんか。

簡単な方法とまでは言えないのですが、歳入関税庁(HMRC)も駐在員の給与支払い計算に難しい点があることは十分認識しているため、駐在員については給与支払い計算手続きを変更することができます。これによって提出期限を延ばし、現物給付相当分を個人所得申告ではなく給与支払い計算で処理することも可能です。

駐在員は英国で個人所得の申告をしなくてよいのですか。

残念ながら、それは違います。個人所得税の正確な申告は駐在員本人の責務で、ほかの人に任せることはできません。実際には雇用主や会計士が申告書を揃えることが多いのですが、本人が確認して署名しなければいけません。

社会保険料の支払いでは何か特別な規則がありますか。

はい、あります。日英間の社会保障協定により、雇用主は日本の当局に対して、英国での社会保険料支払い免除のための証明書を申請できます。これにより、雇用主は駐在員の日本での社会保険料支払いを継続し、英国での支払いを免除できます。この免除は通常では最大5年間までとなっています。

ニック・ニコラウ ニック・ニコラウ
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税務パートナー。国境を越えて展開する日系企業や駐在員への税金アドバイスなど、国際税務を専門とする。税金はコントロール可能な経費、というのが持論。初孫と遊ぶのが週末の楽しみ。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
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