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Tue, 22 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第1回 原則ベースの会計について

第1回は原則ベースの会計について。日本が規則ベースであるのに対して、英国の会計が原則ベースであることを知っていれば、会計士との溝がぐっと縮まるに違いありません。

英国の会計士は、「ただし」とか「でも」とか条件付きの説明が多いのですが、規則自体があいまいなのですか。

いいえ、英国の規則は他の国と同じようなものです。ただ日本などに比べて、かなり原則を重視しています。英国の規則で重要視されているのは、「理にかなっていること」や「現実をきちんと踏まえていること」です。他の国では補足規定で説明しているかもしれませんが、英国では詳細については経験や裁判所に委ねることが多くなります。

例を挙げてもらえますか。

例えば減価償却ですが、英国の基準では資産の「経済的耐用年数」に関して、使用費用を「できるだけ適切に」示す「体系的な」方法で計算することとなっています。定額法と定率法という2つの一般的な方法が使われることになっていますが、「コンピューターは3年間にわたり定額法で減価償却すること」といったリストはありません。細目は企業幹部の判断に任せています。

ということは、減価償却率は自由に決めてもいいのですか。

そういうわけでもありません。整合性があり理にかなっていなければならず、一般的な方法と違う場合は正当性を説明できるようにしておく必要があります。新しいパソコンが1年しかもたないとか、10年後も利用できるとか主張するのは難しいですね。妥当な線であれば問題はないでしょう。

なるほど。筋が通っていますね。他に例はありませんか。

用語の使用もよく問題になります。会計帳簿に使う用語や、帳簿に記載する取引や残高に使う用語を定めたリストはありません。そのため、これこれしかじかの費用をどの勘定に記載するのかと質問されれば、必ずしも法律では決められていないと答えます。自社の会計システムにどのような費用勘定を設けるか、それをどう呼ぶかは各社で決めることができます。

では、管理費を全部ひとまとめにしたり、賃貸料を「旅費」の勘定に記載したり好きなようにできるわけですか。

そうではありません。どの企業も適切な会計記録をつけなければなりません。この「適切」というのは、会計記録がその企業の取引を明示し、どの時点においても企業の財務状況をかなり正確に開示し、企業の幹部が必要な法定報告書を用意できるという意味です。

同じように用語でも、一般的な用法や会計規則、業界規則によって、意味が事実上決められているものがあります。それでも、かなり柔軟性はありますね。また、日本の会計用語を英語の会計用語にそのまま移し替えることはできません。対応しそうな用語があっても、実際のところ日本語の用語は英語に比べて定義がかなり厳密な場合が多いようです。

でも、かなり場当たり的にも見えますね。年度ごとの比較や企業同士の比較をするときに混乱が起きませんか。

そういうことはありません。正当な理由もなく提示方法を毎年変えれば、恐らく規則違反になります。用語も各業界でほぼ決まっています。外部の人が関心を寄せる上場企業や規制の対象となる企業へは、要求がより厳しくなります。

なるほど。表面的な細かいルールにこだわるより、実質重視であることを念頭に置いて会計士と付き合えばいいのですね。

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スティーブン・ダビースティーブン・ダビー
マネージング・パートナー
デロイト時代から多くの日系企業を担当。その鋭い感性から日系クライアントが求めるサービスを的確に見抜いて絶大な信頼を得る。趣味はアンティーク模型で、海外のオークションにも出向くほど。


 

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