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Sun, 09 August 2020

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

「税源浸食と利益移転」(BEPS)について

このところ国際税務との関連で、「税源浸食と利益移転」(BEPS)について色々取り上げられていますが、これは何でしょうか。

経済協力開発機構(OECD)と主要20カ国(G20)によってBEPSプロジェクトが設けられました。これは各国政府が租税回避に対処するため手段を整備し、経済活動が実際に行われ価値が創造された場所で、確実にその利益に課税することが目的です。このプロジェクトでは15項目の行動計画が策定、昨年10月に公表されました。各国政府が既にその実施に取り掛かっています。

私は日本の多国籍企業で英国子会社の代表をしていますが、BEPSは当社にも影響がありますか。

恐らく影響があります。行動計画の一つである行動13は、大手多国籍企業(年間売上高が7億5000万ユーロ(約842億7200万円)超)に対する移転価格の文書化と、参加国間の情報開示の促進に重点を置いています。

移転価格とは何ですか。

一般的には、国際的なグループ企業内の国境を越えた取引価格を指します。OECDの原則では、課税面から企業間に結び付きがないかのように価格を設定する必要があります。これには、製品やサービス、資金、資産(有形及び無形資産)の移転を明確にすることに加え、使用価格について正当な根拠が必要です。各国は自国内の業務から生じる利益に確実に課税するとともに、一般的に税率の低い他国への利益の移転を制限しています。

移転価格の文書化は親会社が行うのでしょうか。

移転価格文書化に関して、大手企業グループの親会社には、その所在国の税務当局に報告する責任があります。この文書はマスター・ファイルとローカル・エンティティ・ファイル、財務情報の概要(例えば売上高、利益、従業員数、納税額、資産など)の国別報告書からなり、所在国の当局は、その詳細を関係する参加国に伝えます。この報告の狙いは開示情報の透明性を高めることにあり、これにより多国籍企業における国際間の移転価格について、各国当局が理解を深めて監視を強化できるようになります。

この報告はすべて親会社が行う必要があるわけですか。

基本的にはそうなりますが、注目すべき例外があります。英国と日本はともに、こうした規定を法的に施行しています。ただし英国が2016年1月1日以降に始まる会計期間について導入しているのに対して、日本では同年4月1日以降に始まる会計期間を対象としています。このため英国子会社の会計期間が同年1月1日から3月31日の間に始まる場合には、英国子会社に国別の詳細を報告する責任があります。

それは面倒ですね。どうしたらいいでしょうか。

手始めにグループの世界中の年間売上高が、最低基準の7億5000万ユーロを超えるかどうかを確かめる必要があります。超える場合には、歳入関税庁(HMRC)から国別報告書の提出を求められますが、これには企業の税務ガバナンスと税務方針の概要を示す税務戦略書も含まれます。

当社は中小企業(SME)ですが、それでもこうした規定がすべて適用されるのですか。

大半が適用されます。英国の申告納税制度では、すべての企業に十分な分析が求められます。これは正確な利益を申告するとともに、HMRCから問い合わせがあった場合に適切な関係書類を提出し、自社の立場を説明するのに必要です。

andrew アンドリュー・ガヴァン
コンサルタント
英国内外の法人税及びそのほかの税金、事業再建など幅広いビジネス分野の専門家として30年の経験をもつ。現在当所にて初期評価から統合と合理化までの一連のサイクル業務に携わっている。

 

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