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Mon, 21 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

会社清算 その2: 会計・税務上の注意点

会社清算が本決定されても、2015年度の決算書と監査の準備をしないといけないでしょうか。

決算書の提出期限前にStrike Offを完了するか清算人を任命することによって、決算書作成と監査を回避することができ、会社の負担の軽減にもなります。このタイムラインが厳しい場合は、決算日の変更によって決算期間を延長、つまり提出期限の延長という手段も考えられます。ただし、回避可能な場合でも、グループ全体の方針やグループ監査の観点から、監査済み決算書を用意することが求められるかもしれません。親会社と事前に確認しておくことをお勧めします。

何か決算書を用意する場合の注意点はありますか。

会社が清算を正式決定した上での決算書は、継続前提(ゴーイング・コンサーン)ではなく、非継続ベース(Break-up basis)になります。非継続ベースの決算書では、固定資産や長期負債がそれぞれ流動資産と流動負債に再分類されます。また会社清算に関連した各種引当金や負債等を認識する必要があります。

税務上の注意点を教えてください。

清算会社が考えるべき基本的な税務は、法人税、VAT、従業員のPAYE、そして特に日系企業の場合は駐在員の年度末税金申告などが挙げられます。その中でも法人税と駐在員税務について触れてみます。

・法人税
法人税は12カ月以上の期間の申告ができません。例えば決算期間を18カ月に延長した場合、決算書は18カ月分であるのに対して、法人税は12カ月と6カ月の2期間に分けて用意する必要があります。これらに加えて会社が事業を終了する時点までの期間の法人税も計算そして申告します。また前述のように決算書が非継続ベースとなった結果、多くの費用計上が発生するので、法人税計算にも影響があることを注意しておくべきです。

・駐在員確定申告
個人税務は原則として、個人の責任において申告され、税金の支払いも個人に義務があります。しかし多くの日系企業の駐在員はグロスアップ・ベースの給与体系で、実質上は会社が駐在員の税金を負担していると言えます。従って、駐在員の確定申告も清算スケジュールに組み込んでおく必要があるでしょう。個人税務は会社の決算年度と関係なく、税務年度末である4月5日を基準としている点にも注意しなければなりません。

最後に、会社の資産の配当はどうすれば良いでしょうか。

Strike Offの場合、残っている資産は裁判所に没収されてしまうので、Strike Offを申請する前に、減資を行って残余資産をすべて配当しておく必要があります。Members Voluntary Liquidation(MVL)の場合は、会社の銀行口座残高を始めとする資産や帳簿を清算人が管理することになります。清算作業が完了すると清算人は最終ミーティングを招集、最終決算レポートを配布します。その決算レポートに基づいて、清算人が残余資産の最終配当を行いますので、会社は減資も含めて配当をアレンジする必要はありません。

清算会社に大きな預金残高がある場合、グループ全体における資産有効活用の観点も考慮すべきです。Strike OffかMVLかに関わらず、事前にキャッシュ・フロー・フォーキャストを用意し、残余資産の予測に基づいて早い段階で第1回目の配当を行ってしまうという方法も考えられます。

高西祐介 高西祐介
監査・会計パートナー・デジグネート
GBAにて資格取得後は大手会計事務所に移籍、多くの英系大企業監査を担当。日系企業をサポートしたいという強い思いからGBAに復帰。趣味はDJで、たまにショーディッチのバーで回している。

 

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