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Mon, 21 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

固定施設を持たない課税対象者(NETP)のVAT

英国で商品を販売するため、欧州連合(EU)域外から商品を輸入しようと考えています。ただ当社は英国に拠点がありません(子会社や支店、その他いかなる施設も英国にありません)。英国の付加価値税(VAT)を課せられますか。

販売する前に輸入するのであれば課せられます。商品を販売する時点で商品が実際に英国内にある場合には、英国のVATが課せられます。同様に商品がほかのEU加盟国内にある場合にはその国のVATが課せられます。

販売する商品がたとえ少量でも英国でVATの登録をしなければなりませんか。

その通りです。こうした企業は、VATについて「固定施設を持たない課税対象者(Non-Established Taxable Person:NETP)」として扱われます。2012年からNETPについては、VAT登録が必要となる売上高の下限が撤廃されました。つまり英国で商品を販売するNETPであれば、販売量が少なくてもVATの登録を義務付けられます。

登録には何が必要ですか。また手続きは面倒なのでしょうか。

かなりの文書の作成が必要になります。申請書を歳入関税庁(HMRC)の国外部署に提出することが求められます。また顧客との契約書のコピーなど取引予定を証明する文書のほか、申請書の署名者の身元と地位を証明する文書も必要です。通常ではこうした文書には、自宅住所の証明や申請を行う企業内での地位の証明、パスポートのコピーなどが使われます。

さらに、商品を輸入する前に事業者登録・識別(Economic Operator Registration and Identification: EORI)番号も申請しなければなりません。この番号がないと、輸入時に支払うVATの還付を受けられない場合があります。

輸入時のVATとのことですが、輸入関税もありますか。これも還付されますか。

商品の明細や原産国によって、商品の価値に対する輸入関税と輸入VATを支払う必要があります。輸入関税は還付されないため企業にとっては費用となりますが、輸入VATは還付を受けることができます。

では商品が実際に販売される前に、輸入関税とVATを支払わなければなりませんね。キャッシュ・フローの助けになるような方法は何かありますか。

HMRCには「関税繰り延べ制度」があり、企業は支払いを 2~6週間(商品の輸入日による)延期できる場合があります。この制度では、承認を受けた銀行や保険会社、住宅金融会社からの保証が必要です。つまりNETPは、正式な条件ではないものの、実際には英国で銀行口座を開かなければなりません。また輸入代理業者の中には、手数料を取って輸入者が代 理業者の繰り延べ制度を利用できるように手配するところが たくさんあります。

VATについてHMRCは、簡易輸入VAT会計(Simplified Import VAT Accounting: SIVA)を導入し、繰り延べに必要な保証を免除しています。ただ現在のところ、この措置は英国でVAT登録をしてから3年以上の企業だけに適用されます。輸入関税については、これに相当する免除措置はありません。

VAT登録とEORI登録を扱う代理業者を指定できますか。

HMRCは、VATの登録やVAT還付のためにNETPが英国に代理業者を指定することを認めています。またVATの調査対象の住所として代理業者の住所を記載することも可能です。ただし代理業者にはHMRCに対するVATの支払い責任はなく、支払い責任はあくまでNETPにあります。

paul ポール・ブラッドリー
パートナー
VATパートナー。関税の領域で17年の経験を積み、通算20年以上この分野の専門業務に携わる。グローバル企業の頭を悩ますVAT問題を鮮やかに解決。F1観戦が趣味で、マクラーレンのファン。

 

 

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