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Mon, 23 September 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

2015年度予算案: 日本企業への影響

2015年度の予算案は、5月の総選挙を前に主に有権者に狙いを定めたものと聞いています。

その通りです。個人向けの施策が多く、非課税貯蓄運用口座(ISA)の柔軟性が高まったほか、所得税の基本税率が適用される人には1000ポンド(約18万円)までの利息に対する課税が免除されます。また個人所得税の基礎控除額が2016年度は1万800ポンドに、17年度は1万1000ポンドにそれぞれ引き上げられます。

日本企業に関連したものはないのでしょうか。

基礎控除額の引き上げは駐在員にも適用されます。また40%の所得税率が適用される最低限の所得が16年度には4万2700ポンドに、17年度には4万3300ポンドに引き上げられます。

個人所得税の申告をデジタルで提出することが義務化されると聞きました。

既に一部の企業は、タグ付けされた電子的な口座から、法人税の申告をデジタルで提出する必要があります。歳入関税庁(HMRC)は、16年初めまでに500万社の小企業と1000万人の個人がそれぞれデジタル口座を持つよう推進する方針です。その後、20年までにこれを全納税者に広げる予定となっています。

日本の駐在員に影響を与える改正点はほかにもありますか。

英国に送金した所得や利益だけに課税することを選ぶノンドミサイル(非永住者・永住する意思のない者)に対しては、送金ベースの追加税が引き上げられます。英国に過去14年間のうち12年居住している人の場合、追加税の税額は5万ポンドから6万ポンドに引き上げられ、過去20年間のうち17年居住している人には新たに9万ポンドが課税されます。

法人税の改正はありましたか。

法人税の標準税率が15年4月から20%に引き下げられたことはよく知られています。日本のタックス・ヘイブン対策税制は、この英国の改正に対応するため変更されるということで、企業にとっては非常に有利であり、英国と日本の良好な関係を示すものです。

また現在は一時的に50万ポンドに引き上げられている年間投資償却(Annual Investment Allowance: AIA)を16年1月から元に戻す計画について、これを見直すとの発表がありました。期限が延長されれば、設備投資を行う企業にとっては歓迎すべきことです。さらに大手企業向けのR & D(研究開発)税制が全面的に改正されます。現在はスーパー控除かアバブ・ザ・ライン税額控除のいずれかを選べますが、16年からは後者のみに。控除率は15年4月1日より11%に引き上げられました。

企業にとって大きな改正点はないのですね。

その通りです。銀行のバランス・シートに対する課税は、現行の0.156%(短期負債向け)と0.078%(長期資本・負債向け)がそれぞれ0.21%と0.105%に変更されて負担が重くなる上、これと併せて損失制限ルールにより全体の課税額は増えます。また経済協力開発機構(OECD)の「税源浸食と利益移転(BEPS)」に関する報告書を受けて、租税回避を減らすことを狙った新たな興味深いルールもあります。これは迂回利益の課税ルールとして知られ、英国から低税率の国や地域に迂回した利益に25%の課税を適用するものです。日本企業で利益を低税率の国や地域に迂回させている企業は少ないため、このルールにより負担が増える日本企業はほとんどないはずです。英国内の売上高が1000万ポンドを超える海外企業については、通知要件の導入が検討される可能性があります。

joe ジョー・ストッブス
パートナー
税務パートナー。会社設立、資金調達、事業・組織再編における複雑な課題に対して、法人税・源泉税の観点から英国に進出する日系企業をサポート。ビジネス・レベルでの日本語対応可。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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