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ロンドンのゲストハウス
Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

監査法人の交代制

英国企業に監査法人の定期的な交代を義務付ける制度が始まると聞きました。

はい、一部の企業に義務付けられます。欧州連合(EU)は様々な形で法定監査を改善するため、一連の指令と規則を発行しました。その中でも特に重要なのは、いわゆる「社会的影響度の高い事業体(PIE: Public Interest Entity)」は少なくとも10年ごとに監査法人を交代させる義務があるというものです。ただし、10年経ってから監査業務について競争入札を行う場合には、各加盟国は独自にこの期間を最大20年間へと延長できます。

これとは別に英国競争・市場局(CMA)は、FTSE350種総合株価指数の対象となる大手350社に、少なくとも10年ごとに法定監査について競争入札を行うよう義務付ける命令を発行。2016年6月から施行されます。

PIEとはどういう企業ですか。

EU加盟国の法律で規制を受けて、規制市場に上場している企業のことです。「規制市場」とは、金融商品市場指令(MiFID)で定めている用語で、具体的には各加盟国の主要な証券取引所や数多くの商品取引所など100近い市場を指します。EU内の金融機関や保険会社も上場か非上場かに関係なく対象となります。

PIEの子会社や支店もそれ自体がPIEになりますか。

PIEの子会社は、それ自体は必ずしもPIEではありません。支店は親会社とは切り離せない部分と見なされるため、別個にPIEとはならないからです。ただし加盟国によっては、支店をPIEと指定することもできます。

監査法人の独立に関して、この法規の対象となる点はほかに何かありますか。

新しい規則では、一部の非監査業務のサービス(税務アドバイスや財務・投資戦略に関するサービス)を、監査するPIEに提供することが全面的に禁止され、また監査する顧客に対する非監査サービスから得られる手数料の割合が通常は70%に制限されています。これは英国のこれまでの規制に比べて格段に厳しいものです。英国の規制では、監査人が管理機能を引き受けず、独立を維持するために適切な予防措置があれば、こうしたサービスに対する制限を設けていません。このほかにもEUの法規では、監査報告書の内容をもっと詳細にして情報を増やすことや、監査委員会を強化することで監視を向上させることを定めています。

この規定の大半は、上場企業やそのほかの公益性の高い企業だけに適用されるようですね。英国におけるそのほかの企業についてはどうですか。

英国の倫理的ガイドラインでは、長年にわたる監査での付き合いは監査人の独立を脅かす可能性があることを認識し、こうした脅威に対して予防措置を取るよう定めています。これは特定の顧客との付き合いが短くても、あらゆる顧客に対して適用されます。

さらにガイドラインでは、監査業務を実施するパートナーがその役割を10年間務めた場合、交代するか監査人の独立に関する別の予防措置を導入するか、あるいはこうした措置を取らない理由を文書にして監査を行う企業に説明する必要があります。

上場企業に対しては追加規定がありますが、重要なのは監査業務を実施するパートナーは10年以内に交代し、交代後5年間は同じ顧客の監査を行わないというものです。この交代の条件は、監査業務を実施するパートナーに適用されるもので、監査法人には適用されません。

ジョン・フィッシャー ジョン・フィッシャー
パートナー
Ernst & Young、野村證券を経てグリーンバック・アランへ。会計技術はもちろん、高度なビジネス日本語を操り、日系顧客から大きな信頼を寄せられる。日本語スピーチコンテストでは2年連続入賞。


 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
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