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ロンドンのゲストハウス
Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

電子サービスに対するEUのVAT改正

欧州連合(EU)で電子サービスに対する改正が導入されると聞きました。

企業から最終消費者(B to C)への「デジタル・サービス」では、2015年1月から付加価値税(VAT)におけるサービス提供地が供給者の所在国ではなく顧客の所在国で決まります。ちなみにデジタル・サービスとは放送、通信、Eサービスのことです。

この改正はどういうものですか。

供給者は、顧客の国で適用されている税率でVATを課されることになります。

現在のルールで適用されているのは、供給者の国の税率です。この改正によると、供給者は顧客がいるすべての国でVATの登録をする必要が生じます。

それはかなり面倒ですね。各国での登録を避ける制度はないのですか。

2015年1月1日から、供給者は「ミニ・ワン・ストップ・ショップ(MOSS)」と呼ばれる新しい制度を選択できます。この新制度により、供給者はVATの登録を1カ所だけで済ますことができます。この制度はEUの域内及び域外の両方の供給者に適用されます。

MOSS制度はどのように機能するのですか。

供給者は現在、B to Cの顧客の所在国に関係なく供給者が拠点を置くEU加盟国でVATを支払っています。MOSS制度ならば、様々なEU加盟国でVATの登録をしてそれぞれVATの申告をする代わりに、EU全体でのデジタル・サービスの供給分をMOSSのVAT申告だけで済ませることができるのです。MOSSのVAT申告では、供給者がMOSSの登録をした国(帰属加盟国と呼ばれます)でVATを支払い、その後に登録した国がほかの各国(消費加盟国と呼ばれます)にVATを支払います。

MOSSのVAT申告はデジタル・サービスに限定され、さらには売上高に課されるVAT(アウトプット税)の申告だけに利用できます。つまり、MOSSのVAT申告の提出は、ほかの商品やサービス供給のためのVAT申告に加えて行うことになります。

当社は既に英国でVAT登録をしていて、ほかのEU加盟国にデジタル・サービスを供給しています。英国も含めたすべての国でのデジタル・サービスの供給については、英国でMOSSのVAT申告を行えばいいですか。

英国のデジタル・サービスの供給分は通常のVAT申告で行います。そして、ほかのEU加盟国で顧客に供給しているB to Cのデジタル・サービスについてはMOSSでVAT申告を行います。拠点がEU域外にあり、MOSS制度を利用するためデジタル・サービス向けにEUで登録をする場合は、ほかにVATの登録をする必要はありません。

MOSSのVAT申告の提出期限はいつですか。

MOSSのVAT申告の提出と納税は、暦年の各四半期末から20日以内に電子的に行います。

MOSSにはいつから登録できますか。

英国では、MOSSの登録申請は2014年10月20日から歳入関税庁(HMRC)に提出できます。B to Cのデジタル・サービスの供給をしているならば、EUの大幅な改正に対して既に準備を進めているかと思います。私どもは、HMRCが企業の誤りに対しては寛大に対処するとともに、新制度の少なくとも初期段階では罰金や支払い利息を科すことを控えるよう期待しています。

ポール・ブラッドリー ポール・ブラッドリー
パートナー
VATパートナー。関税の領域で17年の経験を積み、通算20年以上この分野の専門業務に携わる。グローバル企業の頭を悩ますVAT問題を鮮やかに解決。F1観戦が趣味で、マクラーレンのファン。


 

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