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ロンドンのゲストハウス
Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

接客業界のチップ - トロンク

ロンドンで日本食レストランを開く予定です。チップへの課税を節税できるスキームがあると聞きましたが、本当ですか。

「トロンク(tronc)」システムがチップの分配に使えます。トロンク・スキームを設ければ、雇用主と従業員の負担分を合わせて国民保険料(NIC)が25%以上節減できます。

トロンクには様々な種類がありますが、どれも「トロンク・マスター」が管理します。トロンク・マスターとは、通常雇用主から直接指名されるかまたは従業員たちが任意に選出した従業員であり、雇用主から独立してトロンクを管理し、チップの分配をする責任者です。

チップが現金か勘定に含まれるかで違いはありますか。

はい。現金のチップはそのまま従業員のものになります。チップの対象となった従業員は、チップを同僚と分け合うかどうかを選べます。雇用主は、従業員がもらうチップを雇用主とシェアすることや差し出すことを従業員に強制しないように注意することが必要です。従業員からの苦情や訴訟の対象となり得ます。さらに従業員がチップの課税申告を怠れば、歳入関税庁(HMRC)は税金と国民保険料の両方を雇用主から回収しようとすることもあります。注意してください。

勘定に含まれるサービス料は、トロンクを通じて従業員に回すことができます。サービス料の支払いが任意であれば、チップの支払いということになり、現金のチップと同様に節税の恩恵が受けられます。しかし、支払いが義務的なサービス料の場合は、この特別規則は適用されません。

従業員がチップを自分たちのものにすれば、税金を全く払う必要はないわけですか。

それは違います。チップはすべて課税対象の収入です。問題は、雇用主がこの課税を源泉徴収する必要があるかどうかです。もし従業員が、雇用主の関与を受けずにチップを現金で受け取ってこれを自分たちのものにすれば、源泉徴収課税(PAYE)は適用されません。ただし従業員には、受け取った金額をHMRCに申告する義務があり、通常はその従業員のPAYEコードを調整することで税金が徴収されます。

実際にはどのように節税するのですか。

雇用主はHMRCに誰がトロンク・マスターかを報告する義務があり、チップを分配するために通常はトロンク・マスターの氏名で別個のPAYEスキームを設けます。チップの分配ではNICが免除されますが、トロンクから源泉徴収額を差し引くことを怠って従業員にチップを振り分けた場合、トロンク・マスターが個人的に課税額を支払うことになります。

VATについてはどうですか。

義務的なサービス料にはVATの標準税率 (20%)が課せられますが、任意で支払われたチップやサービス料はVATの対象外です。

ほかにトロンクやチップについて知っておくべきことはありますか。

顧客の払ったチップやサービス料、カバー・チャージを雇用主が従業員に支払う場合、その金額は全国最低賃金の計算に含めることは出来ません。

このようにトロンクの規則は複雑なので、専門家にアドバイスを求めることをお勧めします。接客業の企業ではリスクを十分に理解していない場合が多く、HMRCから納税要請を受ける可能性も決して少なくありません。トロンク・スキームを適切に運営すれば、HMRCからの納税要請だけでなく、チップが絡む雇用訴訟を回避出来ます。

ジョン・フィッシャー ジョン・フィッシャー
パートナー
Ernst & Young、野村證券を経てグリーンバック・アランへ。会計技術はもちろん、高度なビジネス日本語を操り、日系顧客から大きな信頼を寄せられる。日本語スピーチコンテストでは2年連続入賞。

 

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