instagram Facebook ツイッター
ロンドン生活便利サイト neconote
Tue, 20 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第51回: 日本のグループ企業にとっての英国法人税の状況

英国における法人税の税率はどのようになっていますか。

長年にわたり30%だった税率は28%となり、これが2011年度には26%に引き下げられました。12年度には24%、13年度には23%になり、14年度と15年度にはそれぞれ21%と20%に引き下げられます。

日本への納税には何か影響はありますか。

日本において外国子会社の配当収入に対する95%免税が導入され、英国子会社が日本の親会社に支払う配当への課税が軽減されたことにより、企業グループが支払う全体の納税額は減ります。ただし、日本のタックス・ヘイブン対策税制(CFC(被支配外国子会社)税制)には配慮しなければなりません。

それはなぜですか。

日本でこの税制が適用されるのは「20%以下の税率」となっています。このため15年4月からは、英国に子会社がある日本企業の多くが新たな税務管理の問題に直面します。

英国の子会社は、日本のCFC税制では「特定外国子会社」となる可能性があり、適用除外基準を満たさない限り、子会社の利益に対して日本の高税率が課せられます。ただし、英国での課税分は控除されます。

この問題を解決するため両国間で協議が進められていますが、日本が2014年度の税制改革でこれに対処しない場合は、2015年4月まで不透明な状況が続くことになります。

ほかにはどのような租税の変更が導入されていますか。

09年には配当免税制度、11年には在外支店免税選択制度、13年には英国のCFC税制の規制緩和が導入されました。日本のタックス・ヘイブン対策税制に従う必要があるとはいうものの、こうした動きのほぼすべてが日本のグループ企業にとって有益なものです。

知的財産権(IP)と研究開発(R & D)の優遇税制でも変化があると聞いていますが。

英国の大企業向けのR & D優遇税制は、これまで適格なR & D支出1ポンドにつき130%の控除を受けられる「スーパー控除」でした。これによりR & D受託業務を行う英国の企業では、会計上の利益がある場合でも税務上では欠損金が生じることになり、これをグループ内のほかの企業で生じた課税所得と相殺することができます。

新制度では、「アバブ・ザ・ライン(ATL)・クレジット」という税額控除が適用されます。13年4月からは現行制度との間で選択性となりました。16年からは新制度だけとなります。

この制度は複雑ですが、現行制度と比べて2つの大きな利点があります。1つ目は、この優遇税制はR & D支出に対して課税額の軽減を通じて還流するという間接的なものではなく、R & D部門の支出に実質的な補助金として直接的な影響を与えることです。2つ目は、企業が損失を計上している場合でも還付が受けられるという点です。

パテント・ボックス税制についてはどうですか。

パテント・ボックス税制は13年から段階的に導入されている優遇税制です。これは実質的に一部の適格な所得に対する税率を10%に軽減するものです。この制度では、適格な特許を英国子会社が保有する必要はなく、特許を保有する日本の親会社からライセンス供与を受けることが可能なため、日本の慣行や租税ルールにも適しています。また同制度は特許化された製品の販売や使用料などほかの収入にも適用されるので、日本のタックス・ヘイブン対策税制への対応の観点か経営において会計は身を守る防具だけでならも好ましいと言えるでしょう。

ジョー・ストッブス ジョー・ストッブス
パートナー
税務パートナー。会社設立、資金調達、事業・組織再編における複雑な課題に対して、法人税・源泉税の観点から英国に進出する日系企業をサポート。ビジネス・レベルでの日本語対応可。


 

パートナー陣

  • 会計パートナー陣スティーブン
  • 会計パートナー陣ポール
  • 会計パートナー陣ニック
  • 会計パートナー陣ジョン
  • 会計パートナー陣イアン
  • 会計パートナー陣シャロン
  • 会計パートナー陣祐介

当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
更なる情報やアドバイスをお求めの場合、別途下記までご連絡ください。

グリーンバック・アラン LLP
「日系に強い会計事務所」として長年にわたり多くの日系クライアントに、会計、監査、税務、各種アドバイスから経理業務まで幅広いサービスを提供。迅速かつ的確な対応をお約束いたします。日系部署が、窓口から実務まで日本語にてサポート。

グリーンバック・アラン LLPGreenback Alan LLP
11 Raven Wharf, Lafone Street
London SE1 2LR
Tel: 020-7403-5959
Email: jonf@gballp.com(日本語)
Website: www.gballp.com
  • Facebook

キャリアコネクションズ ゲンダイ・ゲストハウス
バナー バナー

英国・ドイツニュースダイジェスト主催 フォトコンテスト 2019 ロンドン・レストランガイド ブログ