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ロンドンのゲストハウス
Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第50回: 中小企業向けの新財務報告基準

内容がよく分からず困っているのですが、最近話題になっている新財務報告基準とは一体何でしょうか。

英国で採用される中小企業向けの新しい財務報告基準で、国際財務報告基準(IFRS)に基づいたものです。

もう少し詳しく教えてください。

英国では、IFRSに沿って英国会計基準(UK GAAP)の調整が行われており、今後はほぼすべての場合において、UK GAAPに代わってFRS101とFRS102が適用されます。

では、FRSSEはどうなるのですか。

小規模会社向け財務報告基準(FRSSE)は引き続き利用でき、適格と判断された企業には適用されます。

新基準の導入に伴い、変更点が色々あるわけですよね。

大きな変更点は次の通りです。

  • ● 現在、完全版IFRSを採用しているグループ企業の親会社や子会社は、IFRSを簡素化したFRS101(開示減免フレームワーク)への準拠が義務付けられます。
  • ● 小規模会社として適格と判断された中小企業はFRS102への準拠が義務付けられます。これは非上場企業、上場企業の子会社に適用されるもので、3000ページ近くに達するUK GAAPに代わって、350ページほどのFRS102となります。

ほかに何か中小企業に影響を与える変更点はありますか。

色々ありますが、少しだけ説明しましょう。

  • ● まず会計用語が変わります。例えば次の通りです。

    貸借対照表
    (Balance sheet)
    財政状態計算書
    (Statement of financial position)
    損益計算書
    (Profit and loss account)
    損益計算書
    (Income statement)
    キャッシュフロー計算書
    (Cash flow statement)
    キャッシュフロー計算書
    (Statement of cash flows)
    債権
    (Debtors)
    営業債権
    (Trade receivables)
    債務
    (Creditors)
    営業債務
    (Trade payables)


  • ● 開示の有無も変わります。FRS101で開示を減免される企業は、国際会計基準(IAS)第7号キャッシュフロー計算書の開示が不要となりますが、一方でFRS102ではキャッシュフロー計算書の作成の免除がなくなります。
  • ● ほかにも会計処理の変更には次のようなものがあります。
    • ・公正価値の利益・損失への変更。これらは再評価差額金ではなく、損益勘定に計上されます。
    • ・無形資産やのれんの経済的耐用年数は、取締役が信頼できる長期の試算を提示しない限り、5年以下に制限されます。
    • ・FRS102では、棚卸資産評価のLIFO(後入れ先出し法)は認められなくなります。

変更点がそんなにたくさんあるのですか。新しい基準はいつから適用されますか。

改定財務報告フレームワークの適用は2015年1月1日以降に始まる会計年度から義務付けられます。

非常に心配なので、会計士の助けが必要になりそうです。

中小企業は上場企業の過去の経験を教訓にできます。2005年に上場企業がIFRSの採用を義務付けられたときに、多くの企業は変更の規模を著しく過小評価していました。このため残念ながら、これらの企業は土壇場で準拠に向け多大な時間と資源を費やすことになりました。

こうした変更点を理解し、自社への影響を把握するため、早めに行動を取ることをお勧めします。

ニック・ニコラウ トニー・サイアン
パートナー
監査パートナー。日系企業など国際ビジネスの監査を長年にわたり担当。日本カルチャーへの理解から、迅速かつきめ細かい対応とアドバイスに定評がある。アーセナルの大ファン。

 

パートナー陣

  • 会計パートナー陣スティーブン
  • 会計パートナー陣ポール
  • 会計パートナー陣ニック
  • 会計パートナー陣ジョン
  • 会計パートナー陣イアン
  • 会計パートナー陣シャロン
  • 会計パートナー陣祐介

当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
更なる情報やアドバイスをお求めの場合、別途下記までご連絡ください。

グリーンバック・アラン LLP
「日系に強い会計事務所」として長年にわたり多くの日系クライアントに、会計、監査、税務、各種アドバイスから経理業務まで幅広いサービスを提供。迅速かつ的確な対応をお約束いたします。日系部署が、窓口から実務まで日本語にてサポート。

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