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Sat, 24 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第46回: 源泉徴収の清算契約

当社ではスタッフ間で夕食会を開く習慣があります。しかし、これがベネフィットと見なされるということが分かりました。つまりスタッフがベネフィットに課せられる税金を負担しないといけないのですが、この課税を回避する方法はありませんか。

はい、あります。「源泉徴収清算契約(PSA: PAYE Settlement Agreement)」と呼ばれるもので、雇用主と歳入関税庁(HMRC)の間で法的拘束力を持つ契約です。雇用主は従業員に提供する一部のベネフィットについて課税や国民保険料(NI)の支払いを順守することに合意します。

どのようなベネフィットが対象になりますか。

PSAに含めることができるベネフィットには3つのカテゴリーがあります。それは少額のベネフィット、不定期なベネフィット、そしてPAYEに含めることや従業員ごとに振り分けることが実際的ではないベネフィットの3つです。

ベネフィットに関するカテゴリーの詳細について教えてください。

HMRCはそれらのカテゴリーや用語についての定義を曖昧なままにしています。以下の表に例を示しますが、これらは確実なものではないことをあらかじめご了承ください。

  実例 処理方法
些細なもの
(Trivial)
• 小さなクリスマス・プレゼント
• 弔事の際の贈花
• 仕事場で提供するお茶やコーヒー
• 季節性インフルエンザの予防接種
課税されない。
PSAやペイロールに含めたり、
ベネフィット
として報告する
必要はない。
少額のもの
(Minor)
• 褒賞金
• ウィンブルドン全英テニス選手権の入場券
• スポーツ・ジムなどの会費
• 「些細なもの」に当てはまらない小さなギフト
PSAに
含めることが
できる。
不定期なもの
(Irregular)
• 課税免除額の8000ポンド(約120万円)を
 超える転勤費
• 企業が所有する休暇用アパートの時折の利用
• 「少額のもの」に当てはまらない1回限りのギフト
PSAに
含めることが
できる。
実際的でないもの
(Impracticable)
• 無料で提供する足治療
• 理髪の提供
• 課税対象となる従業員向けの娯楽
• 課税対象となる帰宅時のタクシーの共同利用
PSAに
含めることが
できる。
大きな額のもの
(Major)
• 永年勤続に対する現金支払いやボーナス、日当など
• 社用車と燃料代、車の走行距離に応じた支払い
• PAYEの義務がある株式で得た利益
PSAに
含めることは
できない。

PSAの利用方法について教えてください。

まず貴社または貴社の代理人がHMRCに申請したいと連絡し、対象範囲について合意します。この時点でHMRCは署名用の契約書を発行しますので、雇用主は署名の上で返送します。この段階は課税年度末後の7月5日までに終えなければなりません。

次にベネフィットの内容と課税額を示す計算書を作成し、HMRCに提出します。税率は、従業員がPAYEで支払う納税額のものを加重平均しますが、NIも含めなければなりません。この計算書の提出に法定の期限はありませんが、HMRCは通常、7月31日までに提出するよう求めています。ただ8月31日までの提出であれば、計算書のチェックには十分な時間があり、納税期限にも間に合います。

最後の段階は納税で、この期限は10月19日です。PSAによる納税の遅延には、通常通りの利子が課せられます。

ニック・ニコラウ ジョン・フィッシャー
パートナー
Ernst & Young、野村證券を経てグリーンバック・アランへ。会計技術はもちろん、高度なビジネス日本語を操り、日系顧客から大きな信頼を寄せられる。日本語スピーチコンテストでは2年連続入賞。

 

パートナー陣

  • 会計パートナー陣スティーブン
  • 会計パートナー陣ポール
  • 会計パートナー陣ニック
  • 会計パートナー陣ジョン
  • 会計パートナー陣イアン
  • 会計パートナー陣シャロン
  • 会計パートナー陣祐介

当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
更なる情報やアドバイスをお求めの場合、別途下記までご連絡ください。

グリーンバック・アラン LLP
「日系に強い会計事務所」として長年にわたり多くの日系クライアントに、会計、監査、税務、各種アドバイスから経理業務まで幅広いサービスを提供。迅速かつ的確な対応をお約束いたします。日系部署が、窓口から実務まで日本語にてサポート。

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