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ロンドンのゲストハウス
Tue, 20 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第43回: 英国の年金改革

英国の年金制度に改革があると聞いています。

英国のすべての雇用主は、最終的にすべての「資格を有する従業員(eligible jobholders)」を適切な年金スキームに自動的に加入させなければなりません。資格を有する従業員とは年収が9440ポンド(約140万円、現行の所得税の基礎控除額)を超える、22歳から公的年金受給開始年齢までの従業員のことです。それ以外の従業員も年金スキームに加入させることはできます。

こうした改革はいつから実施されるのですか。

自動加入の開始日は従業員数によって異なります。250人以上の従業員を抱える企業では、実施日は2012年10月から2014年2月までの間です。従業員が50人から249人の企業では2014年4月から2015年4月の間となり、従業員が49人以下の企業または新しく設立された企業の場合は2015年6月から2018年2月の間となっています。

新制度を管轄する政府機関である年金監督局は、各企業の段階的実施日を12カ月前には通知することを目指しています。

企業には費用が発生しますか。

はい。従業員と合わせて雇用主にも年金への拠出が義務付けられます。当初の総拠出金は「適格な所得(qualifying earnings)」の2%以上で、このうち雇用主は1%以上を負担しなければなりません。これが2017年10月にはそれぞれ5%と2%に引き上げられ、さらに2018年10月には8%と3%になります。

適格な所得とは5564~4万2475ポンドで、これは毎年引き上げられることが見込まれています。

当社では一部の従業員に対しては年金スキームが既にありますが、これを利用できますか。このスキームに加入していない従業員に対しては、スキームを設ける上で何らかの支援がありますか。

まず、基準を満たしてさえいれば既存の年金スキームを利用することができます。また雇用主を支援するため、NEST(National Employment Savings Trust / 国家雇用貯蓄信託)が創設されました。NESTは簡便で低コストの職域年金スキームで、雇用主が法的義務を果たせるように政府が推進しているものです。

英国外でも働いている従業員に対しては、規則が異なりますか。

従業員が英国外でも働いている場合には、雇用主はその従業員が通常は英国で働いているかどうかを明確にする必要があります。現行の指針では、その従業員がどこを拠点にしているかが重要となります。まずは「従業員の雇用契約が示している場所や契約の実際の運用方法」が重要な点ですが、さらに従業員の業務の始まる場所と終了する場所、従業員の居住地、本社の所在地、給与の支払い通貨などが検討すべき項目となります。

海外の雇用主が英国に従業員を派遣する場合はどうですか。

先に触れたように、従業員が通常は英国で働いているかどうかが重要となります。従業員の拠点が依然として英国外にあることを示す要素としては、従業員の雇用主との契約が英国外であること、従業員が英国を離れれば海外での雇用に戻るという妥当な見通しがあることなどです。

年金監督局は、「通常は英国を拠点とする」という定義が明確になるには時間がかかると認めています。このため疑問がある場合には、専門家にアドバイスを受けることが必要となるでしょう。

マイケル・アビアント マイケル・アビアント
パートナー
税務パートナー。英国内税務のみならず、国際税務関連にも造詣が深い。実務以外では、「税務ジャーナル」への記事の寄稿や講演、税務関連の調停や訴訟のサポートなど幅広く活躍している。

 

 

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