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Tue, 19 November 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第42回: 新しい会計フレームワーク

重要な会計基準が新たに発行されたと聞きましたが、当社には何か影響が出るのでしょうか。

貴社が日本企業の英国子会社ならば、何らかの影響があると思います。お聞きになったというのは、FRS102「英国及びアイルランド共和国で適用される財務報告基準」のことですね。これは現在の英国会計基準(UK GAAP)に代わる総合的な基準で、UK GAAPを構成する財務報告基準(FRS)や標準会計実務書(SSAP)、緊急問題専門委員会(UITF)摘要書のすべてが変わります。英国の会計フレームワークの基本の一つとなるもので、数多くの民間企業に適用されます。

英国では、中小企業向け国際財務報告基準(IFRS for SMEs)は採用されないということですか。

以前、「IFRS for SMEs」の英国版を導入するという提案があり、この英国版は「FRSME」と呼ばれていました。今回導入された基準は、実質的にはこの提案に代わるものです。FRS102は長い時間をかけ何度も協議を重ねて策定されたため、一部の要素はIFRSに、また別の一部はIFRS for SMEsやUK GAAPに類似しているのに加え、完全に固有の要素もあります。会計フレームワーク全体の詳細は下記の通りとなります。

● IFRS 国際財務報告基準
● FRS101 開示減免IFRS
● FRS102 英国及びアイルランド共和国で適用される 財務報告基準
● FRSSE 小規模会社向け財務報告基準

欧州連合(EU)の規制を受ける市場で株式取引を認められている企業のグループ会計では、IFRSの適用が引き続き義務付けられます。ただ、こうしたグループ企業でも各個別企業の会計では、FRS101やFRS102を選ぶことも可能です。FRS102にも一部の企業には開示の減免がありますが、FRS101で利用できる開示の減免と同じではありません。また、現在FRSSEを適用している小規模事業者は、引き続きこれを適用できます。

新基準はいつから実施されるのですか。

FRS101とFRS102は、2015年1月1日以降に開始する会計年度からの適用が義務付けられますが、早く実施したい企業には早期の適用も認められます。12月が会計年度末の企業では、新フレームワークにおける初年度用の比較期間となる開始貸借対照表は、2014年1月1日時点のものになります。つまり、最初に影響が出るまでには1年もないわけです。

具体的にはどのようなことを検討したらよいでしょうか。

それぞれの企業によって大きく違ってきますが、重要な検討事項は次のようなものになります。

● 自社が適用する報告基準にはどのような選択肢があり、どの基準が最も適しているか
● 基準の変更により課税にはどのような影響が出る可能性があるか
● 現行の手続きやITシステムは、新規または追加データや要求事項をサポートするか
● 変更によってグループ企業全体の報告義務にどのような影響があるか
● 早期の基準適用には利点があるか
● 変更は分配可能積立金に何か影響を与えるか
● 自社には変更を実施するのに必要な資源があるか
● 変更は今後数年間の予算や見通し、事業計画にどのような影響を与えるか

ポール・ブラッドリー ポール・ブラッドリー
パートナー
VATパートナー。関税で17年の経験を積み、通算20年以上この分野の専門業務に携わる。グローバル企業の頭を悩ます複雑なVAT問題を鮮やかに解決。F1観戦が趣味で、マクラーレンのファン。

 

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