Thu, 18 October 2018

ニュースダイジェストのスタッフが挑戦!

より良い写真を撮るヒント

今年で8回目を迎える、英国・ドイツニュースダイジェスト主催のフォトコンテスト。現在、皆様からの作品を募集中です。毎年多くの応募を頂く本コンテストを前に、フリーランス・カメラマンの前川紀子さんの協力を頂き、ニュースダイジェストのスタッフが撮影に挑戦。スタッフが撮った写真を基に、ひと手間を掛けてより良い写真にするためのヒントを前川さんに伺いました。

「まだ?」

「まだ?」

宮島の厳島神社の参道で、まるで食堂の開店を待っているかのような鹿がとても可愛らしく、思わず撮った一枚です。

撮影のためのヒント

ラインやパターンでリズムを 均等に並ぶ白い柱のラインやお店の屋根瓦、格子窓など、1枚の中に様々なパターンやフォルム が入っていて、ビジュアル的にも楽しい作品です。タイトルに「宮島」が入っていなくても、どこで撮ったかがほぼ分かることや、鹿が現れたその一瞬を撮影したにもかかわらず、ガラスに撮影者が映り込んでいないなど、技術的にも完成度の高い1枚だと思います。

「 足跡」

「足跡」

アルプスに滞在中、積もった雪の上に人間のものではない足跡を見つけ、駆けて行った動物たちの姿を想像しました。

撮影のためのヒント

そこに写っていないものを想像させる 雪の上の足跡という、ほとんどモノクロ写真のような作品。シンプルですが、動物たちが跳ねている光景が想像できます。見たものを撮るだけではなく、そこに写っていないものを想像させるというのも写真の面白さ、楽しさの一つではないでしょうか。また、雪の撮影は露出に注意しましょう。白い被写体は露出をプラスに補正することで、本来の白さが表現できます。

「明日だ!」

「明日だ!」

日曜の午後、ロンドン南部のB&Qに行った帰りの空がきれいだったので。終わる週末を惜しみながらアスダ……。

撮影のためのヒント

見せたいものを強調する タイトルも作品の重要な一部ですね。毎日通る道でも、時間帯によってはいつもと違う、非日常的な光景が出現する、その瞬間をうまく捉えた作品です。ドラマティックな夕日を強調するために、あえて露出を下げて建物の余計なラインを見えなくさせたり、赤みを加えて更に夕日感を出すのも良いかもしれません。どこを一番見せたいか、自分の考えたイメージを強調してみましょう。

「発芽」

「発芽」

4月の半ば、リッチモンド・パークで落ち葉の間から顔を出した小さな芽を発見し、春の気配を感じて撮影しました。

撮影のためのヒント

通常とは異なる視点で 枯葉に囲まれ、新芽の緑が引き立っています。通常、ここまで視点を低くすることは珍しいのではないでしょうか。昆虫や小動物の視点で物事を観察すると、いつもと違う景色が見えてきます。また、被写界深度(ピントが合っているように見える範囲)を浅くしているところも効果的。背景と一番前にある枯葉がぼけていることで、視線が定まり新芽が主役になっています。

「らぶらぶ」

「らぶらぶ」

V&Aで2階からホールの彫刻を眺めていたとき、ふと真下を見たら、仲の良さそうなカップルが座っていました。

撮影のためのヒント

主役をメインにトリミング 俯瞰(ふかん)気味の面白いアングルから撮影されています。カップル以外は誰も写り込んでいない効果もあり、2人の秘密をこちらも共有しているかのようです。強い横のラインが横の広がりを印象付け、そこだけ時間が止まっているようなカップルの姿を強調していますね。彼らの存在を更に目立たせるためにも、存在感のある右上の彫像を少しトリミングしてはどうでしょう。

「クリスマス・ツリー」

「クリスマス・ツリー」

手作りオーナメント、飾り付けにもこだわった人生初の本格的・伝統的なクリスマスを、ハンガリーの友人宅にて体験しました。

撮影のためのヒント

定点撮影に挑戦も まだプレゼントも開封されていない、クリスマス前の静けさを切り取っています。ツリーの横の棚に飾られている宗教的なオブジェも、ひっそりした時間を表現するのに一役買っています。この部屋は数時間後に、家族や友人たちの笑い声で満たされるのでしょう。定点撮影(異なる時間に全く同じ場所から撮影)で、クリスマス前中後を3枚並べるのも面白いかもしれません。

印象深い1枚のために

しゃがんだり台の上に乗ったりして、一つの被写体を異なる視点から何枚も撮ってみましょう。また、レンズを引いて全体の雰囲気を撮影したら、今度は近づいて気になる部分を接写するなど、高低・遠近を意識して撮影してみてください。これが必ず次の「より良い1枚」に繋がっていきます。また、デジタルカメラが主流となった今の時代、撮影後のレタッチは写真撮影の一部ともなっています。自分がどのようなイメージを欲しいのかを意識し、思い切ったトリミングや露出調整などをして、写真の「主役」を引き立てましょう。

前川紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、2012年からルクセンブルグ在住。

第8回フォトコンテストに応募は締め切りました。
締切:2018年9月10日(月)

 
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