祝マッキントッシュ生誕150周年! -グラスゴーにあるゆかりの建築物を紹介-

本日2018年6月7日は、アール・ヌーヴォー期におけるグラスゴー派の建築家でデザイナーのチャールズ・レニー・マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh 1868年6月7日〜1928年12月10日)の生誕150周年記念の日です。
今年1年を通してマッキントッシュ生誕150年を祝う特別イベント「Mackintosh 150」が、生まれ故郷のスコットランドのグラスゴーのみならず、近郊の街で開かれています。ここではマッキントッシュの建築物を中心に、アートの街グラスゴーを紹介します!

1. ケルヴィングローブ美術館&博物館 – Kelvingrove Art Gallery and Museum –

現在開催中の展覧会「Charles Rennie Mackintosh: Making the Glasgow Style」では、マッキントッシュがデザインしたステンドグラス、モザイク、金属工芸品、家具やインテリアなど約250のオブジェクトが展示され、30年以上展示されたことのないレアな作品の数々も見ることができます。2018年8月14日(火)まで
www.glasgowlife.org.uk/museums/venues/kelvingrove-art-gallery-and-museum

「Kelvingrove Art Gallery and Museum」表側の入り口

2. ウィロー・ティー・ルーム – The Willow Tea Rooms @217 Sauchiehall Street –

マッキントッシュが1903年に彼のパトロンでもあったクランストン夫人のためにデザインしたウィロー・ティー・ルーム。現在、建物はThe Willow Tea Rooms Trustにより修復工事中で2018年7月2日よりティー・ルームの営業が再開されます。
www.willowtearoomstrust.org

修復工事が始まる前の「The Willow Tea Rooms」(2014年撮影)

3. マッキントッシュ・ハウス – Mackintosh House at The Hunterian, University of Glasgow –

マッキントッシュと妻、マーガレット・マクドナルド・マッキントッシュが1906年から1914年まで暮らした自宅を再現した「マッキントッシュ・ハウス」。グラスゴー大学のキャンパス内にあるハンテリアン・アート・ギャラリーに併設され、ガイドツアーによる見学(先着順)で、夫妻の主要作品を見ることができます。
www.gla.ac.uk/hunterian/collections/permanentdisplays/themackintoshhouse/

「The Hunterian Art Gallery」の正面玄関

4. ザ・ライトハウス – The Lighthouse –

1895年にマッキントッシュがグラスゴー・ヘラルド新聞社のために設計した、もとは防火目的の給水塔で、1999年にアートセンターへと生まれ変わりました。マッキントッシュの生い立ち、ヒル・ハウスの模型やデザインした椅子などの展示を見ることができる「マッキントッシュ・センター」のほか、様々なアート系イベントが行われています。特別イベント「Mackintosh 150」開催中は、建物見学ツアーが毎週土曜日に開催。
www.thelighthouse.co.uk

建物の最上階ではグラスゴーの街の風景を360度眺めることができる

5. グラスゴー芸術学校 – Glasgow School of Art (GSA) –

マッキントッシュが27歳のときに、母校でもあるグラスゴー芸術学校の新校舎の設計コンペに優勝し手掛けた建築物。2014年5月の火災で建物の一部が焼失してしまいましたが、2019年に再オープン予定*。家具デザインを主に見学できる「Mackintosh at the GSA」ツアーは毎日開催されています。*2018年6月15日(金)夜に、大規模な火災が発生したため、現時点での復旧の見通しは立っておりません。(追記:18/06/2018)
www.gsa.ac.uk/visit-gsa/tours/

マッキントッシュの代表作「Glasgow School of Art」

6. 芸術愛好家のための家 – House for an Art Lover –

1901年にマッキントッシュがドイツのデザイン・コンペに応募した作品が1996年に具現化された建築物で、美しいメインホール、ダイニングルーム、ミュージックルームなど見学することができます。アート・ギャラリーやイベント会場、カフェ、多目的アーティスト・スタジオなど、一般利用できる施設にもなっています。オープン時間が日によって異なるため、出かける前に要確認。
www.houseforanartlover.co.uk

Bellahouston Parkの壮大な敷地内にある「House for an Art Lover」

7. スコットランド・ストリート・スクール・ミュージアム – Scotland Street School Museum –

マッキントッシュがグラスゴー教育委員会のために設計し、1906年に開校したスコットランド・ストリート・スクール。現在は博物館として、19世紀後半から100年間のスコットランドにおける教育関連(年代別の教室の様子など)が展示されています。
www.glasgowlife.org.uk/museums/venues/scotland-street-school-museum

建物の各所にマッキントッシュ・デザインのディテールを見ることができる

8. ヒル・ハウス – The Hill House, Helensburgh –

グラスゴーから電車で約1時間ほど離れた高級住宅地に建つ「The Hill House」。マッキントッシュ夫妻がデザインした建物、家具、テキスタイル、庭園を忠実に復元されています。2018年の開館は3月~6月のみ。
www.nts.org.uk/visit/places/the-hill-house

現在はスコットランドのナショナル・トラストが管理している「The Hill House」

ロンドンからグラスゴーまでの所要時間は飛行機で約1時間20分、電車では約4時間半。週末(1泊2日)で回ることも可能ですが、じっくり建築物やアートを見たい方は2泊3日がおすすめです。記念イベントが開かれる記念の年に、足を運んでみてはいかがでしょうか。

◯ 特別イベント「Mackintosh 150」の詳細は
www.news-digest.co.uk/news/listing/details/1354-mackintosh-150.html

(嵐)

前の記事:
次の記事: