英国屈指のパワースポット、グラストンベリーの見どころを紹介

イングランド南西部、サマセット州にある小さな街グラストンベリー。毎年夏に開催される野外音楽フェスティバルで有名ですが、もともとはケルト神話の1つでもあるアーサー王とアヴァロン島など古代の伝説に満ちた神秘的な聖地として知られます。その神秘とスピリチュアリティーを求めて世界中から人々が巡礼に訪れる場所でもあり、パワースポットとしても有名です。今回はグラストンベリー好きの(嵐)が見どころをご紹介します!

1. ハイ・ストリート – High Street –

アロマオイルにパワーストーン、シンギング・ボウルといった癒し系グッズや、スピリチュアル系書店に占い関連グッズ店など、たくさんのニューエイジ系ショップが並んでおり、まるでハリー・ポッターの世界に入り込んだかのような錯覚に陥る人もいるかもしれません。お店の間の所々にある小路の先が中庭になっており、更にそこにもお店が並んでいたりするので、一軒ずつ回ると結構時間がかかると思います。インディペンデント系カフェやレストランもいくつかあるので、たくさん歩いて疲れたら一息するのもよし!

glastonbury high street 癒し系やスピリチュアル系などのショップがたくさん並ぶハイ・ストリート。
閉店時間が早いお店もあるので、行きたいお店がある場合は時間を要チェック!
buddha green-man 通りには仏陀やグリーンマンの姿も
glastonbury experience ハイ・ストリート沿いにある小路の一つ「Glastonbury Experience Courtyard」の入り口。
中庭へアクセスできる
hundred monkeys 素材は自然食品やオーガニックなど新鮮さにもこだわっているカフェ・レストラン&ベーカリー
「Hundred Monkeys」で、アーティチョーク入りベジタリアン・パエリアと
シーバスのレッド・タイカレー・ソースにワイルドライスをいただきました

 

2. グラストンベリー・トー – Glastonbury Tor –

14世紀ごろに建てられた聖ミカエルの塔(礼拝堂跡)がそびえ立つ丘で、英国最大のレイ・ライン「St. Michael’s Line(セント・マイケルズ・ライン)」上に位置しています。アーサー王伝説に出てくる伝説の島「アヴァロン島」ではないかという説や、「異界への入り口」があるともされていて、とても神秘的です。不思議な光の目撃談も多数あるのだとか……。丘の上からは美しい自然が広がる360度のパノラマ・ビューを楽しめることができます。現在はナショナル・トラストが管理をしており、入場は無料です。

glastonbury tor view 自然豊かな丘にそびえ立つ、聖ミカエルの塔
St Michael tower 聖ミカエルの塔から見た外の景色
glastonbury tor 丘の頂上では、美しい自然のパノラマ・ビューを楽しめる

 

3. チャリス・ウェル & ガーデンズ – Chalice Well & Gardens –

グラストンベリー・トーの登り口近くにある聖なる泉、チャリスの井戸。愛らしい英国式庭園が広がり安らかな空気が流れているこの空間では、心を和ませてくれる不思議なエネルギーを感じられることでしょう。街の喧騒から離れ、時間を忘れることができ、気分をリフレッシュしたいときやエナジー・チャージをするにはもってこいの場所です。草木や花々が茂るガーデンの一番奥には聖なる井戸「チャリス・ウェル」があり、その井戸の水底深くにはキリスト最後の晩餐で使われた聖杯が沈められているという伝説があります。その泉から流れ出る水は、鉄分を多く含んで赤み帯びていることから「赤い泉」と呼ばれ、18世紀頃からヒーリング・パワーを持つ「聖水」として広く知られるようになったそうです。(入園料: 4.30ポンド(2017年7月現在))

chalice well チャリス・ウェルの源泉「The Wellhead」。樹々に囲まれ、
鳥のさえずりなど自然の音しか聞こえないこの場所では、とても静かで平和な空気が感じられる。
まわりに組まれた石に座ってゆっくりと時を過ごしてみてはどうだろう
chalice well symbol 庭園の入り口近くにある、石でかたどられたチャリス・ウェルのシンボル・マーク。
井戸蓋やヴェシカ・プールでも使用されているが、同じ形の円が2つ重なりあった幾何学模様で、
天と地上、精神世界と物質世界、男性性と女性性、意識と無意識など、
あらゆる二元性の交差と統合を表している
yew tree ドルイドやケルトの聖なる木である「Yew Trees(イチイの木)」
healing pool チャリス・ウェルからの湧き水に足を浸すことができる「Healing Pool(ヒーリング・プール)」。
King Arthur’s Court(アーサー王の中庭)とも呼ばれるこの場所は、
St. Michael’s LineとSt. Mary’s Lineの2つのレイ・ラインが交差している地点でもあるそう
lions head 湧き水を飲むことができる「Lion’s Head(ライオンズ・ヘッド)」。
ここから汲んだ水はボトルなどに入れて持って帰ることも可能。
ガーデン内のショップではチャリス・ウェルの水を使用したエッセンスなども販売されている
welldressing 今回訪れたときには、花びらや葉っぱなど自然の素材を使って井戸を飾る
「Well Dressing」の姿も。その後方にあるのは「聖なるサンザシ」の木
angel seat 天使の像がある石のベンチ「Angel Seat(エンジェル・シート)」。
ジョン・レノンがここに座って「Imagine(イマジン)」のインスピレーションを得たそう
Vesicle Pool チャリス・ウェルのシンボル「Vesica Piscis(ヴェシカ・パイシーズ)」をかたどった池。
湧き水が辿りつく「Seven Bowls Flow Form」と呼ばれる7つの鉢は、上から段々に1つ1つの鉢内で
8の字を描いて水が降りてくるようになっており、「Infinity(無限)」を象徴している

 

4. ホワイト・スプリング – The White Spring –

チャリス・ウェルからすぐ近くWellhouse Lane(ウェルハウス・レーン)の道沿いでは、「赤い水」と「白い水」の両方を自由に飲むことができます。「The White Spring(ホワイト・スプリング)」という名の通り、この泉では白い水を汲むことができます。チャリス・ウェルの赤い水に対し、白い水はカルシウムを多く含むそうです。洞窟のような入り口の向こうは暗くて祭壇があり、瞑想や沐浴をする人の姿も……。中は相当暗いので雰囲気が苦手な方もいるかもしれませんが、興味のある方はチャリス・ウェルと併せて訪れてみてはいかがでしょうか。

the white spring The White Springの入り口。
水・木曜日を除き、毎日午後1時半から4時半まで無料で中に入ることができる(2017年7月現在)

 

5. グラストンベリー・アビー – Glastonbury Abbey –

伝説の王、アーサーとグィネヴィア王妃のお墓の跡を見ることができるGlastonbury Abbey(グラストンベリー・アビー)。夫妻の遺体はグラストンベリー・トーの頂上付近で発見されたとされており、その後、この地に埋葬された(真偽は不明)と言われています。ただし、1539年にヘンリー8世によって修道院が破壊され、お墓はどこへ行ったか分からないのだそうです。広大な緑の敷地や池に囲まれた修道院跡は現在は廃墟になっていますが、英国最古のキリスト教修道院として広く知られているようです。この周辺から出土したものは、入ってすぐにあるミュージアムで展示されており、昔の修道院の様子も説明されています。アリマタヤのヨセフの杖から生えたとされ、チャリス・ウェルにもある「聖なるサンザシ」はここでも見ることができ、クリスマスとイースターの2回、美しい花を咲かせるそうです。(料金: 7.50ポンド(2017年7月現在))

glastonbury abbey king arthur's tomb アーサー王の棺やお墓が発見されたとされる箇所に看板が立っている「King Arthur’s Tomb」
glastonbury abbey monastic ruins 修道院跡地の一部
glastonbury abbey abbots kitchen 今でも唯一しっかりと建物が残っている修道院長の台所があったとされる場所

【アクセス】
直接車で行くか、近くのブリストル市内からグラストンベリー行きのバス(Bristol Bus & Coach Stationから376番)を使うと良いでしょう。日帰りの場合は、乗車時に購入可能な「Bath & Bristol – Outer Zone Adult Day」チケットが6.50ポンド(2017年7月現在)でお得です。ブリストル市内から片道1時間半〜2時間くらい。イギリスののどかな田園風景など楽しむことができます。また、野外ロックフェスティバルのある時期は、ロンドンから直行便バスがあるようです。

● 聖地をつなぐ線「Leyline(レイ・ライン)」と英国最大のレイ・ライン「St. Michael’s Line(セント・マイケルズ・ライン)」については
http://www.news-digest.co.uk/news/features/4655-spiritualism-guide-uk.html

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